井上康生はなぜ選手をメダルに導けたのか 敗者への気配り、モチベーションを上げる人間力

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 史上最多の金メダル9個を獲得した柔道日本代表。とりわけ男子はこれまた最多となる金5個を量産した。

「井上康生監督の“人間力”の賜物でしょう」

 と語る全国紙柔道担当記者が印象的なシーンとして振り返るのは、2020年2月の代表発表会見である。

 井上監督は、各階級の代表選手の名前を読み上げると、「ギリギリで落ちた選手たちの顔しか浮かばない。60の永山、73の橋本、海老沼、90の長沢、村尾もそう。100の飯田、羽賀、100超の影浦……」と選外となった選手たちの名前を挙げながら涙を流した。...

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