小池都知事、国政復帰へのシナリオとは 二階幹事長、国民民主・玉木代表…急速にすり寄る人々

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“次の幹事長候補”

 その間隙(かんげき)を縫って、小池知事は着実に外堀を埋めている。公明党対策だ。

 前出の自民党関係者が指摘する。

「彼女は公明党代表の山口那津男さんと親密な関係を築いています。最近も何度か“今日も行ってきたの、信濃町”と本人が周囲に話しています。都議会で自公両党との関係修復を狙っているのでしょう」

 一方、二階幹事長も、

「二階さんの最大の目的は幹事長続投です。5月発売の『月刊Hanada』で安倍前総理がポスト菅として、加藤官房長官、茂木外相、下村政調会長、岸田前政調会長の4人の名前を挙げました。安倍さんが所属する清和会幹部は4人を“実は次の幹事長候補だ”という解説もしています。そうした安倍さんらの動きを警戒しているのが二階さんで、小池さんを手中に収めていることをブラフにし、続投を狙っているのです」(同)

 政治アナリストの伊藤惇夫氏が解説する。

「さすがに次の選挙のタイミングで都知事を辞めて国政に進出してしまえば、都政を途中で投げ出したと批判されるだけです。とはいえ、彼女は今でも初の女性総理への野望を捨てていない。いまはそのタイミングを見計らっている時期といえるでしょう」

 さらに彼女の肚の内をこう推察する。

「小池さんが考えているのは、自民党内に根強い自身へのアレルギーを取り除くこと。そのために次の衆院選で自民党候補を応援し、協力した上で自民党への復帰の道を探ることはあり得る。かたや、玉木さんとの連携は小池さんにたいしたメリットはありませんが、小池さんを国民民主党の代表として迎えるなら別です。小池代表として自民党との連立を模索する可能性はある。いずれにせよ、総理を狙うのは“次の次”の選挙になるでしょうね」

 五輪後には無観客開催となった赤字分の負担を巡り、国と都の押し付け合いにもなるが、無論、次の衆院選で自公が過半数を割ってしまえば、先の中谷氏の言葉の通り“小池政局”となるのは目に見えている。

 それを避けるには一にも二にもワクチン接種を進め、新規感染者を減らし、菅内閣の支持率を上げることだとされる。加藤官房長官は周囲にこう語っている。

「緊急事態宣言の期限である8月22日までに高齢者はワクチンを2回接種した上で2週間が経過して免疫ができている。さらに全人口の4割も2回接種し、効果が出ているはずだ。マンボウは効かない、宣言が効くと信じるしかない」――。

 少しでもワクチン接種を広めてから衆院選を行おうと、自民党内では衆院議員任期満了後の11月投開票まで取り沙汰されている。

 小池知事が恋焦がれてきた「初の女性総理」という称号。4年前の“希望”再び、となるか。

 これまで時の権力者に近付き、政界渡り鳥と揶揄されてきた女帝が歩むのは針の穴に糸を通すような細く、かつ険しい「道なき道」ならぬ「道ならぬ道」である。

週刊新潮 2021年7月22日号掲載

特集「女性初 『小池総理』への道ならぬ道」より

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