バドミントン協会が進める「フクヒロ」ペア排除 理由は専務理事にとって「目障り」

スポーツ 週刊新潮 2021年7月22日号掲載

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 各競技団体に課せられた役割は、選手が競技に集中できる環境を作ることに他ならない。が、あろうことか、選手や監督を苦しめている競技団体が存在する。日本バドミントン協会だ。

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 いよいよだというのに大会の機運が全く盛り上がらない東京五輪。基本的に「無観客」となったことも、出場選手のモチベーションに与える影響は大きいだろう。そんな中、バドミントン協会との軋轢(あつれき)という“雑音”にも苦しめられているのが、現在世界ランキング1位で金メダルが期待されるバドミントンの「フクヒロ」ペアこと、福島由紀、廣田彩花両選手である。

「フクヒロ」ペアと、彼女らを指導する今井彰宏監督は現在、岐阜県にある「丸杉ブルヴィック」という社会人チームに所属している。ちなみに今井監督はこれまで五輪出場選手を多く育て、2012年のロンドン五輪では、“フジカキペア”を銀メダルに導いた名伯楽だ。

「目障り」

「去年6月、バドミントン協会は『丸杉ブルヴィック』を国内リーグの『S/Jリーグ』1部に加盟させない、という決定を下しました。これはあまりにも理不尽な決定で、チームを指導する今井監督に対する嫌がらせとしか思えないものでした」

 そう語るのは、「丸杉ブルヴィック」の関係者。

「そこで去年10月、丸杉側は『日本スポーツ仲裁機構』(JSAA)に不服申し立てを行い、今年4月、JSAAは我々の申し立てを全面的に認め、バドミントン協会の決定を取り消す判断をしてくれました」

 対する協会側はその2カ月後、驚くべき挙に出た。日本オリンピック委員会(JOC)に名を連ねる66団体のうち、9割を超える60団体が採択しているJSAAの「自動応諾条項」。協会はそこから「離脱」したのである。

「離脱するということは、バドミントン競技者が不服を申し立てる場所がなくなることを意味し、前代未聞。7月1日にはJSAAの山本和彦機構長が会見し、離脱はスポーツ庁が策定したガバナンスコードに反し、極めて遺憾だと批判しました」(同)

 その後も「丸杉外し」を着々と進めているという協会。なぜこれほどまでに「丸杉」を敵視するのか。

「現在、バドミントン協会を実質的に牛耳っているのは、銭谷(ぜにや)欽治専務理事。現役時代に全日本選手権で4連覇を含め7回優勝している、バドミントン界のレジェンドで、誰も物申せない存在です。今井監督は、その銭谷専務理事に嫌われているのです」

 と、バドミントン業界関係者。

「今井監督は選手の才能を見極め、開花させる力に長けており、常に選手のことを一番に考える。選手のためなら協会相手であっても歯に衣着せず意見を言うため、銭谷専務理事にとっては目障りなのでしょう」

「丸杉ブルヴィック」を運営する「丸杉」社の社長は、

「福島選手と廣田選手は現状に心を痛めております。日本バドミントン協会には、選手のことを第一に考えた運営をぜひお願いしたいと思います」

 一方、バドミントン協会は文書でこう回答した。

「当協会において『丸杉ブルヴィック排除』の動きがあるというのは全くの誤りです」

ワイド特集「出番ですよ」より

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