「サウナブーム」ドラマ「サ道」シーズン2開始でますます熱狂 企業では「サウナ部」が続々設立

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 かつてサウナといえば、おじさんたちの憩いの場だった。だが、今は様相がまったく違う。人気施設には、ノッポさんのような“トンガリ帽子”を被った20代、30代の若者たちが詰め掛けているのだ。“サウナ女子”も出現し、企業には「サウナ部」まで。いったい何が彼らを“熱い密室”へと引き寄せるのか――。

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4万2000円分もグッズを大人買い

 東京・新宿区の「東急ハンズ新宿店」。7月4日、開店の午前10時前から、入り口には20人近い人だかりができていた。ほとんどが20代、30代の若い男女たちだ。彼らの目当ては、全国のサウナ施設50店舗のグッズを集めて開催されている「全国サウナ物産展」(7月22日まで)である。

 オープンと同時に“サウナー”と呼ばれる若者たちは、目当てのグッズに飛びつき出した。1枚3000円以上もするロゴ入りTシャツを、惜しげもなくどしどしカゴの中に入れていく。

 Tシャツ、帽子、「ヴィヒタ」と呼ばれるサウナ用品など十数点、計4万2000円分も買い込んでいた20代の男性は、「いつか行きたいと思っている熊本や兵庫の人気サウナ店のグッズが欲しくて」訪れたという。

「初日の2日も来たのですが、目当てのグッズが売り切れていたので、今日はオープンを狙いました。サウナ歴は1年半とまだ短いですが、都内の施設に週3で通っています」

 物産展を企画した同店バイヤーの海老原章さんは興奮ぎみに語る。

「予想以上の反響でびっくりしています。一番売れているのは、頭髪を熱から守るためのサウナ専用の帽子です。1つ5、6000円と決して安いものではないのですが、みなさん応援している施設のTシャツなどと合わせて、平均して1万円から1万5000円くらい買われます」

サウナ専門誌が続々出版

 本屋に行っても、サウナブームは実感できる。「サウナブロス」(東京ニュース通信社)、「サウナ for ビギナーズ」(晋遊舎)、「Saunner+」(小学館)、「サウナを極める。」(宝島社)、「ベストサウナ」(扶桑社)……とサウナ専門誌がずらり。すべて今年3月以降に刊行されたものである。

 7月に「ベストサウナ」を創刊した扶桑社の池田達哉さんによると、ブームは6年くらい前から始まったという。

「2015年に『モーニング』(講談社)で不定期連載がスタートした『サ道』(作・タナカカツキ)という漫画からですね。暑いサウナ室でギリギリまで体を焦がした後、水風呂に浸かって急激に冷やすことが、どうしてこんなに気持ちいいのかをわかりやすく描いた作品です。19年からテレビ東京が原田泰造・主演でドラマ化したことで、一気に若年層に人気が広がりました。バラエティ番組には“サウナー”を自称するお笑い芸人たちも続々登場。昔は“オッサンの我慢大会”のイメージが強かったサウナですが、今はどこに行っても若者たちで溢れかえるようになりました」

 ドラマ「サ道」は、7月9日からシーズン2が放送開始したばかり。ますますブームに拍車がかかりそうな勢いなのである。

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