小室圭さんが潰した「女性天皇」「女性宮家」 上皇、美智子さまは泣く泣く断念

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国論を二分しかねない

 先のデスクが続ける。

「有識者会議のヒアリングに参加したメンバーからも、“小室さんの問題が片付かない限り、皇室制度について冷静な議論は望めない。小室さんの存在が頭を過る状況では国民的な理解を得ることも難しい”という声が聞こえてきます。すでに有識者会議は、現在の男系男子に限定した皇位継承順位を維持することを確認し、女性・女系への継承資格拡大は見送る方針を固めている。また、菅総理は皇室の在り方への思い入れが乏しく、官邸内には“悠仁さままでは決まっているのだから、先々のことは次世代の人が考えればいい”というムードが広がっています」

 一方、今後も議論が続く女性宮家創設案は、上皇さまの強いご意思で進められてきた。昭和天皇の皇統に連なる愛子さま、眞子さま、佳子さまというお三方の内親王までに限定する方向で、皇室内のコンセンサスも得られていたという。しかし、宮内庁関係者によると、

「ここに来て他ならぬ上皇さまに変化が窺えるようになりました。というのも、女性宮家とセットで旧宮家の男性の皇籍復帰が論じられることが増え、そうしたお考えを持ち合わせておられない上皇さまは議論の趨勢を懸念されているのです。他方、美智子さまは、初孫である眞子さまには皇室に残ってご公務に邁進してほしいと願っておられました。しかし、小室さんの一件で世論が沸騰。眞子さまが“第一号”になるはずだった女性宮家創設についても、このまま議論を進めれば国論を二分する事態になりかねないと、上皇ご夫妻は憂慮されるようになったのです」

 つい先日、現在の上皇さまのお気持ちを象徴するような出来事があった。美智子さまと共に新型コロナウイルスのワクチン接種を受けられたものの、当初は接種日の公表に消極的でいらしたという。

「インフルエンザのワクチン接種は公表しているのに何故なのか、と記者会と西村泰彦長官との間で押し引きがありました。まだワクチン接種を受けていない国民がいるなかで、皇族が優先されるイメージが広まるのを懸念されたのでしょう。また、一部には強硬な反ワクチン論者もいます。上皇さまはこれ以上、賛否が割れるような争点を作りたくないとお考えになり、あえて接種日を伏せられたようなのです」(同)

 上皇・上皇后ご夫妻がワクチンを接種されたからといって、それを咎める声が巻き起こるとは考えづらい。

 問題は、上皇さまが皇室に厳しい世論の動向について、これほどまでに過敏になられ、心を砕かれている点にある。背景に“小室さん問題”があるのは言うまでもあるまい。古の怪僧に擬せられる「海の王子」。令和の皇室を舞台にした“第二の道鏡事件”はいまだ収束を見せない。

週刊新潮 2021年7月1日号掲載

特集「現代の“道鏡”『小室圭さん』が潰した『女性天皇』『女性宮家』」より

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