東京国際マラソンを3度制覇「アベベ」が茨城の女子中学生にセクハラ 半ズボンの中に手を入れ、告白

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 エチオピアに「マラソン界」の英雄は2人いる。ひとりは1964年の東京五輪で金メダルを獲得し、史上初の五輪2連覇、73年に亡くなった「裸足の鉄人」アベベ・ビキラ。もう一人は東京国際マラソンを3度制したアベベ・メコネン(56)だ。この「もう一人のアベベ」が母国から遠く離れた日本で、女子中学生に“求愛”のスパート。市役所を巻き込んだ騒動になっているという。

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 かつて「現役で世界最強のマラソン選手」と言われ、2度の五輪出場経験もあるアベベは茨城県笠間市のアパートに一人で暮らす。今夏の東京五輪でエチオピアのホストタウンとなっている笠間市が同国の陸上競技連盟を通じ、アベベをスポーツ国際交流員として招いたからだ。2019年8月に来日。妻と3人の娘を母国に残し、単身で赴任したアベベは役所でエチオピア大使館などとの連絡業務に従事していた。帰国は今年8月の予定だったが、

「昨年夏から、市が委託し、とある地元の中学校で陸上部の指導もしていました」

 とは陸上部員の保護者。

「朝練や放課後、土日の練習にも必ず参加していました。話せるのはエチオピアの公用語であるアムハラ語と片言の英語のみ。でも、身振り手振りを交えて熱心に指導し、弱小だった中学の駅伝チームを関東大会に導いたほどです」

 ところが、陸上部員はその指導方法に違和感を覚えていた。同校関係者の話。

「アベベは“休みがあるから強くなれないんだ!”と怒るほどの熱血指導でした。練習中も“行ってこい!”みたいな感じで、お尻を叩いたり、ボディタッチをしていた。しかし、そういうことをする相手は女子だけなのです」

「彼女と吉野家に…」

 次第にアベベの“被害”に遭う部員も出てきた。

「ある陸上部の女子生徒に対し、“一緒に帰ろう”、“食事しよう”と誘って、彼女を連れ出し、二人で吉野家に食べに行ったこともありました」(同)

 さらにボディタッチは激しくなっていったと続ける。

「別の女子生徒には、練習後にグラウンド脇のベンチで“マッサージをしてあげる”と言って、生徒の半ズボンの中にまで手を入れ、下着のギリギリのところまで触ってきた。後日、その生徒に“I love you so much”と告白し、手を握るまでの行為に及んだのです」

 当初は文化の違いではないかと目を瞑っていたが、事ここに至りて、さすがに看過できず女子生徒は校長らに直談判。アベベと市役所の担当者を交えて話し合いがもたれた。アベベは泣きながら「I'm sorry」と謝罪し、5月の陸上大会を最後に指導からは身を引いたのだという。

 露見したエチオピアの英雄の不祥事。一連の経緯を市の教育委員会スポーツ振興課の担当者に尋ねたが、

「アベベさんはいま、五輪後に行うエチオピア選手団との交流会の準備に注力してもらっています。その件について回答は控えさせていただきます」

 市役所へ出勤するアベベを直撃すると、

「No, No, No」

 と繰り返し、“足早”に去ってしまった。帰国が早まる予定はないそうだが、いくら「英雄」でもこれでは母国に顔向けできまい。

週刊新潮 2021年6月24日号掲載

ワイド特集「郵便配達は二度ベルを鳴らす」より

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