高級外車30台以上「名古屋のもつ鍋王」虚飾の金満に被害者の怒り 「2300万円支払い命令」が下っても賠償せず

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

裏の顔

「名古屋のもつ鍋王」の異名をとった「ディ・エフ・エス」の山中誠社長。高級外車を30台以上も所有するセレブ生活はたびたびメディアに取り上げられた。その金満ぶりが虚飾と知れたのは、名古屋地裁で会社が破産手続開始決定を受けた2020年6月。これを機に、山中社長に騙されたという「被害者」が続々と浮上したのである。

 ***

 マイバッハやポルシェなどの外車を30台以上も所有し、30万円でヘリコプターをチャーターして300円の「福福餅」を買いに行く。そんな山中社長の生活を、テレビ番組はこぞって取り上げた。

 40代の主婦は、憤りを隠さず語る。

「私から老後の生活費を奪いながら、山中さんは贅沢三昧の生活を送っていました。裏の顔も知らずに、メディアは成功者として取り上げてきたのです」

 主婦が山中社長と知り合ったのは5年前(2015年)。前夫と離婚協議中だった彼女は、山中社長の知り合いから、「結婚詐欺のようなことに遭い、騙されてポルシェを購入させられました」。ポルシェは第三者の手に渡っていたが、その回収に乗り出したのがもつ鍋王だった。

 取り戻してもらったポルシェが運ばれた先は名古屋の山中邸。

「テレビ番組で山中さんのポルシェとして披露されていたのは私がローンを支払い続けていた車です。一方で、山中さんは私の自宅を利用した博多もつ鍋屋の東京1号店の開店も持ちかけてきました」

 17年3月、女性はフランチャイズ契約を交わし、契約金1530万円を振り込んだものの、何一つ進まなかった。要は、前夫から彼女に支払われた慰謝料を横取りされた格好である。

被害者は10人以上

 この主婦は結局、17年末に、フランチャイズの契約金や返還されなかったポルシェの代金など、2645万円の損害賠償を求める訴えを起こした。山中社長には2286万円の支払い命令が下ったが、主婦には1円たりとも支払われていない。

 しかも、被害者は彼女一人ではなかった。山中社長の口車に乗せられ、2000万円以上の負債を背負わされた人、破産に追い込まれた老夫婦などなど。主婦が知り得る限り、同じような被害者は10人以上にのぼるという。

 公共の電波で名古屋のもつ鍋王だと持ち上げ、その宣伝に加担したテレビ局も罪深い。

週刊新潮」2020年9月10日号「MONEY」欄の有料版では、被害者たちが騙された手口と山中社長自身の弁明を詳報する。

週刊新潮 2020年9月10日号掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。