サニブラウンはどこで何を? 100メートル日本記録保持者でも五輪に出られない可能性も?

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標準記録に達していない多田は

 そして多田に関して言うと、彼は標準記録に達していないが、ワールドランクに入っているので、標準記録未達でも日本選手権3位以内なら代表に内定する(「代表内定条件」の2に相当)。

 ちなみに「ワールドランク上位」というのは何位までを指すのかという基準は差し当たって公表されていないが、五輪の出場枠は56なので、その数字は1つの目安となるだろう。

「今年は3月の日本室内選手権60メートル決勝で、日本新まで0.02に迫る自己ベストを出して優勝しましたが、4月には山縣と小池、桐生に負けて4位でした。追い風参考だと9.94を出したことがありますが、有力選手の中で公式記録は一番遅いですね」

 ここからは参加要件を突破できていないケンブリッジと山縣について。

 ケンブリッジは実は2020年に標準記録を上回る10.03をマークしているのだが、コロナ禍の影響で2020年4月5日から11月30日までの記録は有効ではないとされたために、これで標準記録突破とはみなされない。

 とはいえ、2020年における日本人トップの数字であるし、彼自身の一発勝負の強さが吉と出れば可能性はある。

 一方の山縣は2018年には無敗を誇ったが、19年は肺気胸、20年は右膝蓋腱炎と、ケガに泣かされてきた。

「今年に入ってからは日本室内記録を更新したり、4月の大会で桐生らを抑えて優勝したりするなど、好調をキープしています。独自のメンタル調整法がうまくはまっているようですね。12年ロンドン、16年リオと連続して出場し、それぞれ日本人最高をマークしてきた点も彼の強みでしょう」

 最後に――日本選手権で山縣とケンブリッジがともに3位以内に入ってかつ10.05を切れなかった場合について、どうなるのか?

「山縣とケンブリッジは落選で、参加要件を満たす4人のうち日本選手権の上位3名が選ばれることになります」

デイリー新潮取材班

2021年5月14日掲載

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