小泉進次郎 出馬前のレア・ショット 順風満帆な彼に何が起こったのか?

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自民党大逆風の中で

 投票のひと月前には、新人4人の候補者によって公開討論会が開かれている。この時、民主党から出馬した弁護士の横粂(よこくめ)勝仁氏は、同記事で次のように証言している。

「(進次郎氏は)イントネーションを変えたり間を取ったり、彼は聴かせて魅せる、含みのある話し方ができていた。勝てると思っていた討論で全然勝てなかった。見た目も爽やかで弁まで立つ。この時、将来、日本の政治の中心に立つ人だと思いました」

 前述したように、この選挙で自民党は大惨敗。神奈川県内の18小選挙区を見れば、わずか3議席しか獲得できなかった。それほど厳しい選挙だったが、その中にあって進次郎氏は圧勝している。ちなみに進次郎氏以外の当選者は現・首相の菅義偉氏と、現・行政改革担当大臣の河野太郎氏だった。

 その後の進次郎氏の活躍は、誰もが知るところ。その言動は何かといつも注目を集め、自民党青年局長などの要職にも就いてきた。「弁舌」はますます冴え、2017年10月には4選。「ポスト安倍」として名前が挙がる常連にまでなっていた。

 進次郎氏が絶頂期にあったのは、2019年なのだろう。その年9月には環境大臣に。フリーアナウンサー・滝川クリステルさんとの結婚を発表したのは、前月のことだった。そして年が明けるとすぐ第1子が生まれるなど、公私ともに順風満帆だったのである。

 どうやらそのあたりから、風向きが変わっていたようだ。「弁舌」で培った信頼を「弁舌」で帳消しに、といったところか。

2021年5月11日掲載

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