今大会No.1右腕は市和歌山「小園健太」、スピードだけでない超高校級の実力

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好投手を次々と攻略

 卓越した投球術を披露した試合は、昨秋の近畿大会の智弁和歌山戦だ。全国でトップクラスの強力打線を相手に4安打、わずか110球で完封勝利を飾った。奪三振は4つと少なかったが、9回を投げ切るために球数を少なくして、あえて打たせてとる投球に徹するなど、高校生離れした実力を見せつけた。ちなみに、秋の県大会でも市和歌山が智弁和歌山を破っているが、智弁和歌山が県内の同じ高校に続けて敗れるというのは過去10年間で一度もなかったことだ。

 選抜高校野球に話を戻そう。市和歌山は22日の初戦で名門・県岐阜商と激突する。県岐阜商を率いる鍛治舎巧監督は、社会人の松下電器(現Panasonic)、中学野球の枚方ボーイズで長く監督を務め、多くの選手をプロに送り出している高校球界屈指の指導者だ。

 前任の秀岳館時代には3季連続で甲子園ベスト4に進出し、高橋昂弥(花咲徳栄→広島)、早川隆久(木更津総合→楽天)、鈴木昭汰(常総学院→ロッテ)などの好投手を次々と攻略している。市和歌山との対戦が決まると、愛知の強豪、享栄や愛工大名電といった速球派の投手を擁するチームと練習試合を行い、小園対策を相当練っているようだ。

 小園が“百戦錬磨”の指揮官を擁するチームを相手に快投を演じれば、その評価はさらに上がることは間違いない。今大会の出来次第では、一気にドラフトの“超目玉”と浮上する可能性も高い。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮取材班編集

2021年3月22日掲載

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