韓国「鬼滅の刃」劇場版&Netflix版の“耳飾りデザイン改変”、10年前に生まれた旭日旗タブーの原点とは?

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「旭日旗は戦犯旗」という批判が続く

 2021年1月に韓国で公開された「『鬼滅の刃』無限列車編」やNetflix版で、主人公の耳飾りのデザインが旭日旗に似ていると騒がれたため、デザイン変更を余儀なくされた事態については既報の通りだ。そもそも、豊漁の象徴とされる旭日旗のデザインが反日勢力からターゲットにされ始めたのはいつのことだったのか。

 耳飾りのデザインについては、韓国では、

《ナチスと同じものがなぜ堂々としているのか? ドイツを見習え》

《そう……お前らが言う伝統と歴史が深~~~~い旭日旗は戦犯旗ということを理解しろ!》

 といった激烈なものから、

《鬼滅の刃は自分の周りはみんな面白いって言うからから見ようとしたんだけど……。ピアスが変にひっかかったので、見ませんでした。でも変更されたと知って行ってみようかとも思ってます》

 という若干控えめなものまで、とにかく忌避反応が絶えない。

 こんな風に、彼らが旭日旗の模様をターゲットにするようになった転機は、2011年1月25日に開催された「AFCアジアカップ2011」準決勝の日韓戦だと言えるだろう。

 この試合で韓国代表の奇誠庸(キ・ソンヨン)が前半のPKで得点を入れた際、ゴール後のパフォーマンスとして「猿の物真似」を行った。

 猿は韓国人が日本人を侮辱するときに用いる表現。当然、波紋を呼んだ。

日韓戦の度に繰り返される日本への侮辱

 日本サッカー協会は韓国サッカー協会に対し、奇誠庸への聞き取り調査を依頼。その結果、奇誠庸は「猿真似パフォーマンスは日本に向けてではなく、自分がスコットランドのセルティックでプレーしていた際、猿呼ばわりをしてきた相手チームのサポーターに向けて行ったものだ」と回答したという。

 答えになっていない回答と言うほかないが、奇誠庸は試合後、自身のTwitterで「観客席にある旭日旗を見て、涙しか出ませんでした。私も選手である以前に大韓民国の国民です」と書き込みをし、旭日旗に腹を立てて猿真似パフォーマンスをしたと回答を一変させた。

 しかし実際には、観客席に旭日旗はなかったという。
 
 そもそも旗があろうがなかろうが、こんなパフォーマンスが許されるはずもない。当然、「自身も猿呼ばわりされて人種差別されたからといって、猿真似パフォーマンスを通じて日本を侮辱することはスポーツマンシップに反するし、人としての品性が疑われる」といった批判が韓国内で巻き起こるかと思われたが――。

 残念なことに、そういう良識あるコメントは少数派だったようだ。そういったものよりは、「スカッとした」「日本が旭日旗で韓国を侮辱したことに対して復讐を果たした」「旭日旗を見ても我慢しろというのは敗北主義に過ぎない」など、奇誠庸のパフォーマンスに対する賛成の意見の方が大半を占めたという。

 こうして、以降、国際大会が開催されるたびに、旭日旗の問題が浮上するのが一つのパターンとなってしまった。

 2012年、ロンドン五輪サッカー3位決定戦の日韓戦を勝利した韓国の代表選手、朴鍾佑(パク・チョンウ)が「独島(日本名:竹島)はわが領土」と書かれた紙を観覧席のファンから渡され、これを高く掲げるパフォーマンスを行った。

 それに対し日本は国際オリンピック委員会に問題提起をし、朴鍾佑は表彰式への参加が許されなかった。

 これに対して韓国のネットユーザーたちは「応援の際に旭日旗を用いることのほうが問題だ」と、またも不満の矛先を旭日旗に向けた。

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