淡路島に本社機能を移転する「パソナ」 売上は3250億円なのに純利益が6億円の“謎”

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ポスト南部は不在

 政界に太いパイプを持つとされる南部氏。「週刊新潮」(2020年6月25日号)では、東京・元麻布にあるパソナの迎賓館『仁風林』の存在に触れている。

《六本木ヒルズにほど近い港区元麻布の高級住宅街。その只中に、鬱蒼とした木々に囲まれる古い料亭のような建物が存在する。これが「仁風林(にんぷうりん)」である。
 表向きはパソナの福利厚生施設とされるが、その実態は南部代表が各界のVIPを接待するサロンだ》

 記事では、安倍晋三前首相や菅義偉首相、西村康稔・新型コロナ対策担当大臣らを、仁風林で接待を受けたことがある政治家として取り上げた。その接待の実態については、

《扉の奥から聞こえるのは、優雅なクラシックの調べと談笑する招待客の声。ライトアップされた庭園から室内に目を移せば、壁には所狭しと絵画が並び、長いテーブルに置かれたワイングラスには、次々と高級なワインが注がれる。給仕するのはいずれもモデル並みの美女である。》

 これだけ饗宴が催されているとすれば、「販売管理費」の高さもむべなるかな……。これも南部氏の所有株の多さゆえだろうか。もっとも17年には、株主である香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」から経営改善を求められたことがあるという。

「販売管理費を使いすぎるとし、経営を改善すれば営業利益率が1・6%から5・9%に向上すると指摘があったのですが、パソナは受け入れなかった。放漫経営には誰も歯止めをかけられないわけですよ」(同)

 南部氏は現在69歳。引退したらパソナグループはどうなる。

「30代の息子がパソナにいますが、役員にもなっていません。ポスト南部はいないと見ていいですね。パソナは南部氏の個人会社みたいなものですから、彼が引退したら、経営は難しくなるかもしれません」

デイリー新潮取材班

2021年2月4日掲載

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