「桃井かおり」が語り尽くす LAの「ロックダウン生活」と「俳優の自死」

エンタメ 芸能 2021年1月14日掲載

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ZOOMでの取材に応諾

 女優の桃井かおり(69)は2004年に父親が他界したことを機に米・ロサンゼルスに移住。15年には2歳上の音楽プロデューサーと結婚し、ロスにある一軒家で暮らしている。現在、春に続いて再び行動制限がとられているロス。そこで何を考え、いかなる日々を送っているのか。桃井かおり、大いに語る──。

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 LAでは、みんなすごく神経質になっています。まず公共交通機関が動かない。お店やレストランも検温と消毒を徹底していましたが、それでも今は再び閉店になっていますね。

 サンタモニカのレストランはパリのカフェのように路上や、駐車場で営業していました。徹底ぶりで驚いたのは、スーパーの人数制限。みんな2メートルずつ離れていて、油断して少しでもカートが近づくと、“Keep distance!”(「距離を取って!」)ってすごい勢いで言われる(笑)。

 最近はアメリカでもやっと「マスクしてください」という文化が根付いてきて、つけてないと「あなたはバイ菌をばら撒いてる」って文句も言われます。こっちの人は言いたいことをはっきり言いますからね。みんなマスクを手作りしたり、バンダナを巻いたりしています。あまりの徹底ぶりに、なんで日本のほうが感染者数が少ないんだろうって思うこともありますよ。

 路上生活者もすごく多くなっています。ベニスビーチの近くにあるアボットキニーというエリアは日本でいう青山みたいにお洒落で落ち着いたエリアなんだけど、そこの道路の脇に路上生活者の方のテントがバーッて張ってあるんです。

 日本でいうと、青山通りにテントが並んでいる感じ。ベニスビーチのお手洗いやシャワーなんかも鍵がかかっているけど、それを壊して路上生活者が使ってる。彼らの中にはお酒を飲んでいる人も多いから、ガラス瓶が割れて散らばったりしていて、車で通ると危ない状態です。

“人生のシラフ”

 外出が制限されて、今はこれまでの“悪事”や“不始末”を見つめ直す時間が長いから、死ぬ前の走馬灯か、ディケンズの『クリスマス・キャロル』かってくらい色々なことを思い返して反省して、本当にまっさらなの。初めて“シラフ”で生きてる感じ(笑)。

 例えば、昔、飛行機会社の偉い人と対談をしたことがあって、私はただただ対談を面白くしなきゃと思って、「飛行機は乗り物として面白くないでしょ」とか言った。

 「ジェットコースターみたいに楽しいわけじゃないし、食事も寿司職人を乗せるなりしてもっと美味しいものがあればいいのに。あとマッサージもあればいいと思います」って(笑)。

 そしたら向こうはすごく怒ってしまって(笑)。当時はなんで怒っているのかすらわからなくて、私はどこも悪くないと思っていたけど、それが最近になって突然気づいたんです。そりゃそうだ、皆さん本当に安全管理とか色々大変な中でやってたんだって。今頃になって気づいてもしょうがないんですけど。でも死ぬ前に気づけてよかった(笑)。今、私は“人生のシラフ”。過去までやり直してる。

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