崇教真光が「GoToトラベル」で信者集め 布教に血税が使われる違和感

国内 社会 週刊新潮 2020年12月17日号掲載

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 法律に触れてはいないものの、どこか違和感を拭えない。自民党とも関係の深い宗教法人・崇教真光(すうきょうまひかり)が「GoToトラベル」を使って信者を集めているのだ。

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 そもそも「GoToトラベル」はコロナ禍で落ち込んだ需要を取り戻すため、観光と地域経済の活性化が目的だったはず。

 ところが、と旅行会社の関係者が囁く。

「崇教真光の信者が総本山のある岐阜県高山市にバスツアーで向かう際、GoToを活用しているんです。東京からだと深夜出発の日帰りバスツアーを旅行会社が組み、基本は本部とドライブインしか立ち寄らないプラン。地域共通クーポンも配られます。これは観光目的と言えるのでしょうか」

 一般には馴染みが薄い崇教真光とは、明治34年生まれの岡田光玉が58歳の時に創始した新興宗教。

「宗教問題」の小川寛大編集長が解説する。

「元は日本陸軍の軍人だった岡田光玉は戦後に世界救世教で活動。その後、独立して作ったのが崇教真光です。教祖が軍人だったので、組織としては保守的。日本会議にも参画しています」

 自民党とも関係は深く、例えば、過去には元自民党幹事長の石原伸晃氏が崇教真光の式典に出席している。その式典は毎月第1土曜日に総本山で開かれる、と元信者が言う。

「時期によって月始祭や秋季大祭などと呼びます。多い時は1万人もの信者が総本山にある神殿に集まり、祈りを捧げるのです。自民党議員からの祝辞はよく届いていましたよ。信者は道場ごとにバスツアーで来る人が多く、150台以上のバスが駐車場に集まることもあります」

精査していない

 現状について先の旅行会社関係者は、

「コロナで一時、バスツアーは控えていたようですが、GoToが適用されるようになってから復活しました。車中ではクーポンの使い方について、教団の人から特定のドライブインもしくは本部の売店で使うよう指示があるのです。ツアー中、観光に立ち寄ることもないので地元にお金が落ちることはありません」

 日帰りツアーで旅行代金2万円の場合、「GoTo」を使うとクーポンを含めて実質、上限1万円まで補助される。例えば1万人がこの制度を利用すると、それこそ1億円もの税金が使われることになるのだ。

 先の小川氏は、

「このご時世、聖地や本部に行きたがる信者は減っています。いつもより安い交通費で本部に行けるなら、GoToを利用したくなるのはさもありなんですね」

 崇教真光広報部に聞くと、

「参加者の交通手段は各地域それぞれで手配しており、GoToトラベルの利用は教団として推奨していません」

 観光庁の担当者はこう言葉を濁す。

「明確に観光目的でなければGoToの対象外になります。例えば、免許合宿やビジネス目的の出張。ただ、旅先で観光をしているのか、精査しているわけではありませんので……」

 12月5日の土曜日、高山市の本部付近を訪ねると、多くのバスが集まっていた。

 さるバスの運転手は、

「僕のバスでも“本部の売店でクーポンを”という案内がありました。でもおかしくないですか? 僕らの税金を彼らが身内で使うなんて」

 宗教法人は税制面で優遇されていることで知られる。布教活動のために我々の血税が使われるのはどうも釈然としないのだが……。

ワイド特集「戦いのゴングは鳴った」より