【魂となり逢える日まで】シリーズ「東日本大震災」遺族の終わらぬ旅(9)温もりを届ける「あの日」への巡礼 魂となり逢える日まで(9)

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 大阪からの到着便を告げるアナウンスが流れる。今年10月15日、宮城県名取・岩沼両市にまたがる仙台空港の1階ロビー。その外れにあるソファーで、荒セツ子さん(72)=仙台市青葉区=は腕時計と携帯電話の時刻を並べて見入り、じっと時を待っていた。午後2時46分。

「息子と、皆さんに会いに行きます」

 と言って、荒さんは立ち上がった。

 9年前の2011年3月11日のその時刻、三陸沖を震源とする大地震が発生し、やがて津波が、海岸のそばに位置する仙台空港にも押し寄せた。...

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