「相棒」、染谷将太は10歳で、ムロツヨシは名前も紹介されず…無名時代に出演していた俳優たち

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ブレイク前の広瀬アリスや伊藤健太郎も

 NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の主人公・白岡あさ役でブレイクし、今や連ドラの主演女優として活躍中の波瑠は、season11(12~13年)の元日スペシャルとして放送された第11話『アリス』でヒロイン・二百郷茜を演じた。

 杉下右京と旧知の仲だった二百郷朋子がロンドンで息を引き取った。その臨終に立ち会った弁護士から右京に、いまわの際に朋子が発した謎の言葉が伝えられる。それは現在の二百郷家の当主である茜に身の危険が迫っていることを知らせるものであったことから、特命係が捜査に乗り出すことに。そこから茜の住む旧早蕨村で昭和30年のクリスマスイブに起きた少女失踪事件が絡んでいくのだが、その失踪した少女・瑠璃子を演じたのが広瀬アリスなのである。

 当時の彼女は18歳でまだブレイク前だったが、まさに“深窓の令嬢”という雰囲気を醸し出し、物語に華を添えている。この回にはルポライターで実は真犯人だった遠野弘明役に滝藤賢一が扮している点も注目だ。

 朝の連続テレビ小説つながりでいえば、season11(12~13年)の第14話『バレンタイン計画』に『わろてんか』の主人公・北村てん役でブレイクする前の葵わかなが出演している。事件の舞台となる私立中学校の女子生徒・高村奈津役だった。またこの回には同じ中学校の男子生徒・藍沢祐介役を現在人気急上昇中のダンスロックバンド・DISH//のリーダー、北村匠海が演じている。事件のカギを握りつつも、意識不明の重体となる役どころであった。

 変わり種ではseason15(16~17年)の第3話『人生のお会計』に登場したROLANDだろう。まさにそのままのホストクラブのホスト役で少しだけ出演しているのだが、しっかりとシャンパンタワーをやっているのが笑える。

 season16(17~18年)の第16話『さっちゃん』で事件の舞台となった消費者金融の代表・葛西武を演じたのが、今や個性派俳優としての地位を確立している小手伸也である。放送日が18年2月14日。彼の知名度を広めるきっかけとなった『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系・18年4月クールの作品)のまさにスタート直前での出演だった。

 最後にもう1人特別に紹介しておきたい。先日、ひき逃げのなどの疑いで逮捕された伊藤健太郎も、まだ『今日から俺は!!』(日本テレビ系)が大ヒットする前のseason16・第10話で元日スペシャルの『サクラ』に出演している。

 演じたのは、発砲事件に関係していると見られ、半年以上前から行方が分からなくなっている3人組の高校生のリーダー格・上条喬樹だった。この放送の約7カ月後の18年6月30日に芸名を伊藤健太郎と改名しているため、放送当時は旧芸名の“健太郎”で出演している。

 『相棒』では犯人や事件のカギを握る人物役に、今後注目の若手女優や、テレビドラマ中心の活動ではないものの、舞台活動などで根強い支持をするファンを獲得している女優をキャスティングするケースが多い。今後も出演した後に有名になる俳優が続出するだろう。

上杉純也

週刊新潮WEB取材班編集

2020年12月3日掲載

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