「文在寅」大統領が、「日本との関係改善」をここに来て望み始めた理由とは?

国際 韓国・北朝鮮

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「東京五輪成功のために韓国と北朝鮮が必要」と言うが

 安倍前政権が韓国最高裁の元徴用工賠償判決を国際法違反と主張すると、尹昊重議員は「妄言」と述べ、「安倍首相は国際法に対する無知と我田引水の解釈で国際法を捻じ曲げている」と批判。

 2018年にはラジオ放送に出演して、「(安倍首相は)慰安婦問題で批判を受けてでも政治的な決断をしなければ、未来志向的な韓日関係は構築できない」「日本は民主主義国家として、また文明国家として、平均的な歴史観と価値観を持たなければならない」と発言した。

 韓日議員連盟の訪日には、知日派として知られる保守野党「国民の力」の金碩基(キム・ソクキ)議員も同行した。

 金碩基議員は日本の警察大学校本科を卒業し、ソウル地方警察庁長や駐大阪総領事を歴任、日本の政界に多数の人脈を持つが、表に出ることはなかった。

 訪日団の主要メンバーは、「反日感情」を笑顔で隠し、日韓関係の改善を語る一方、「安倍-菅内閣は間違っている」と考えている政治家で、日韓関係改善の前面に立つべき議員は後ろに追いやられた格好だ。

 この状況で生産的な話が出来ると勘違いした前出・李洛淵民主党代表は13日、「日本が東京五輪で成功するためには、韓国と文大統領、北朝鮮の協力が必要だ」とまで述べたという。

 核兵器開発と弾道ミサイル発射を躊躇せず、拉致問題を放置したままの北朝鮮の五輪参加など、日本国民が望むはずがない。

 加えて、韓国ユニクロの店舗前で“NO JAPAN”を叫んで営業を妨害し、日本産ビールを不売にし、日本産自動車を打ち壊し、日本旅行者を“親日派”“売国奴”と罵倒し続けたこの1年のことをすぐに忘れろというのも難しいだろう。

“NO JAPAN”を支持率の引き上げに利用した文大統領とその周辺が、今になって関係改善を望むのか。

 謝罪と補償、そして彼らにとって「北に良い顔ができる」というメリットがあると考えているからではないか。

田裕哲(チョン・ユチョル)
日韓関係、韓国政治担当ライター

週刊新潮WEB取材班編集

2020年11月18日掲載

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