片寄涼太の「世界観」とは?

片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)×作詞家・小竹正人 往復書簡 エンタメ 芸能 2020年11月15日掲載

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片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)×作詞家・小竹正人 往復書簡17

 現在公開中の映画『空に住む』についての思い出話に花を咲かせた後、小竹の中に生きる「アメリカ」に触発された片寄。自身が仕事で訪れた世界各国での経験を振り返りつつ、グローバルとローカルに思いを巡らせ、夢について明かした。

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 拝啓 小竹正人様

『空に住む』懐かしいですねえ。8年前って僕まだハタチにもなってないです(笑)。小竹さんが直筆メッセージ入りの白本(?)的なまだ製本されてない状態のものを、「是非読んで」と渡してくださったのがすごく嬉しかったことを覚えています。

 小説はもちろんのこと、三代目J SOUL BROTHERSさんが歌う楽曲「空に住む~Living in your sky~」が本当に大好きでした。

 確か“主題歌付き小説”として販売されて、その頃すごく新しい試みだったように記憶しています。

 この小説がなければ生まれてなかった曲なんだと思うととても愛おしくて、特別に感じられます。

 この楽曲の歌詞のなかから、“『ありがとう』って 言えないまま あなたに逢えなくなってしまったけれど”というフレーズは、《残された人の気持ち》をすごくストレートに表現していて、それは死とか失恋とか様々な状況に当てはまる表現だなと、いま聴きなおしても新鮮に感動いたします。

 さて、小竹さんがいまの僕に書いてくださるなら、80年代後半のアメリカ映画みたいな世界観の歌詞を書きたい、孤独な自分と淡々と向き合うような生活感の漂う歌詞を。ということでした。

 是非歌ってみたい! と思うと同時に、改めて小竹さんにはカリフォルニアでの留学によるアメリカ文化が根強く生きているのかなあと感じました。

 いまの時代はインターネットで世界中が繋がっている、すごくグローバルな時代だと僕は思っています。

 仕事を通してアメリカはニューヨーク、ロサンゼルス、ヨーロッパはパリ、ロンドン、アムステルダム、アジアは北京、上海、香港、台北、マカオなどなど…様々な都市に行かせて頂き、それぞれの文化、人間性の違いを20代前半のうちにしっかりと肌で感じることができました。

《郷に入っては郷に従え》ということわざがありますが、これはこの現在のグローバル社会でも言えることであると僕は思います。

 その都市やその地の文化を感じて、敬意をもってそこに順応することを意識するだけで世界は広がるのです。

 2年前にニューヨークに行ったときに、そこで仕事をともにした現地で働く方がこのように言いました。“The people coming in New York want many socials.”(ニューヨークに来る人々は、多くのソーシャル=社交、繋がりを求めている)。

 これはあくまでニューヨークでの考え方であって、これがヨーロッパのある都市ならまた違う感覚だし、アジアの都市ならまたそれぞれの国民性が存在します。

 決して自分の国の当たり前を押しつけてはいけない、そう強く思って改めて日本、日本人の素晴らしさにも気づかされました。

 だからこそこれからの時代はそれぞれがアイデンティティーを持ってそれを表現し、しっかりと正しい情報を掴んでいかなければならない。

 僕は今後、日本の様々な文化や素晴らしい芸術、若いエネルギーを、自分や自分の身の周回りのものを通して世界へ発信していきたいと思っています。いまの一つの夢です。

 小竹さんにとってはいまの夢や目指すところって、あるんでしょうか?

片寄涼太

敬具

片寄涼太 Ryota Katayose
GENERATIONS from EXILE TRIBEのボーカル。1994年8月29日生まれ。大阪府八尾市出身。祖父と父が音楽教師で、若いころからピアノに親しむ。2012年にデビュー。14年にドラマ「GTO」で俳優デビュー。19年に映画「午前0時、キスしに来てよ」で橋本環奈とW主演。GENERATIONS「You & I」が配信中。11月18日にGENERATIONS 24枚目のシングル「Loading...」の発売が決定。

小竹正人 Masato Odake
作詞家。3月10日生まれ。新潟県出身。東京・本郷高校、カリフォルニア州立大学卒業。 作詞曲「Unfair World」で第57回日本レコード大賞受賞。「花火」(三代目J SOUL Brothers from EXILE TRIBE)など、数百曲を手掛けた。小説は『空に住む』『三角のオーロラ』(共に講談社)、歌詞&エッセイ集に『あの日、あの曲、あの人は』(幻冬舎文庫)。2017年から、自身の歌詞をモチーフに、三池崇史、行定勲、河瀬直美、石井裕也らが映像化する「CINEMA FIGHTERS project」のコンセプトプロデューサーを務める。