片寄が約8年に亘ったSNSエゴサーチの習慣を断ち切ったワケ

片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)×作詞家・小竹正人 往復書簡 エンタメ 芸能 2020年8月9日掲載

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片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)×作詞家・小竹正人 往復書簡3

 書かれてナンボとはいえ、著名人・有名人・芸能人もまた人の子。自分がどんな風に書かれ、評されというのは気になるもの。見なければいいという意見もあるが、なかなかそうも行かない。片寄もまたエゴサーチを“熱心に”続けてきたのだが、その習慣を1年以上前に断ち切ることができたという。何があったのか。

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拝啓 小竹正人様

 ついに書簡が“往復”することになり、胸のざわつきを覚えています。それはひとえにこのメッセージが、小竹さん以外の人に見られることを意識しているからなのでしょう。

 さて、前回の小竹さんの「ご挨拶」のなかで印象に残ったのは“辟易とするSNS社会”についてでした。確かに小竹さんと食事などをする際に、SNSについての話題が出ないことがないですし、とある恋愛リアリティーショーの出演者の方が自ら命を絶たれてしまったことも記憶に新しいことです。

 いまの自分は年齢(25歳)的に、この“SNS社会”のど真ん中の世代にあたると思います。そして芸能人ですから不特定多数の方に知られており、SNSでターゲットになる機会は日常茶飯事です。

 自分の名前で少し“エゴサーチ”してみたら……例えばこんな具合です。〈片寄涼太は歌が下手だ〉〈片寄の大根芝居はなんとかならないのか〉〈歌も演技もできないなんて終わってる〉〈片寄涼太ってどこがカッコいいの?〉〈片寄の顔が嫌い〉などなど。ああだこうだと言われるのは仕事の一部分であり、気にしないようにしていたものの、全てに目を瞑ることはできませんでした。歌や大根芝居は自分の努力が至らないところもあると思うのですが、顔はどうしようもないしなぁ、僕は良いですが親に謝れ!って話ですね。(笑)

 まあそんなこんなで、かれこれ約7、8年に亘った“エゴサーチ”の習慣を断ち切ったのは1年以上も前のことになります。

 見ず知らずの方のつぶやきや投稿に気持ちがブレている時間が勿体無いですし、そういう自分に飽き飽きしたというのも理由のひとつです。自分に対する世論を知るツールとして“エゴサーチ”は有力。ただ、大体どんなことを言われているかは理解できたし、一度見なくなればあとは気にせず、自分らしくやろうと思えるようになるものです。

 自分が頂いたお仕事に対して、他の誰かの意見や言葉を気にしながら臨むのは、お仕事を発注してくれた方に対してとても失礼なことなのではないか。そんな思いもあります。せっかくお仕事をするからには自分らしく、自分にしかできないお仕事を目指して取り組んでみたいと……。

 人とのコミュニケーションには主として“言葉”が介在し、その言葉には温度や硬度があるんじゃないかと思っています。相手の目や雰囲気、声質、言い方によって、その温度は高くも低くもなり、伝わり方が柔らかくも硬くもなる。地方の方言や訛り方によっても様々な受け取り方がされることも。(関西弁には全く悪気がなくても、受け取る相手によって言葉の暴力と化すように……。関西人あるあるです。(笑)

 一方で、ネットやSNSで流れて行く言葉には、その温かさや柔らかさを感じにくい。誰もいない部屋で独り言のようにボソッと呟いたくらいの一言だったかもしれないけれど、先ほど紹介したものよりも驚くほど悲しくて心に突き刺さるような言葉もあったりします。

 僕は小竹さんの歌詞や言葉には温度や硬度、その色合いの鮮やかさや透明度までをとても鮮明に感じています。“言葉の魔法使い”である小竹さんなら、このSNS社会に生きる“言葉の運転初心者”の方達に、どんな言葉を投げかけるでしょうか?

 片寄涼太

敬具

片寄涼太 Ryota Katayose
GENERATIONS from EXILE TRIBEのボーカル。1994年8月29日生まれ。大阪府八尾市出身。祖父と父が音楽教師で、若いころからピアノに親しむ。2012年にデビュー。14年にドラマ「GTO」で俳優デビュー。19年に映画「午前0時、キスしに来てよ」で橋本環奈とW主演。GENERATIONS「You & I」が配信中。

小竹正人 Masato Odake
作詞家。3月10日生まれ。新潟県出身。東京・本郷高校、カリフォルニア州立大学卒業。 作詞曲「Unfair World」で第57回日本レコード大賞受賞。「花火」(三代目J SOUL Brothers from EXILE TRIBE)など、数百曲を手掛けた。小説は『空に住む』『三角のオーロラ』(共に講談社)、歌詞&エッセイ集に『あの日、あの曲、あの人は』(幻冬舎文庫)。2017年から、自身の歌詞をモチーフに、三池崇史、行定勲、河瀬直美、石井裕也らが映像化する「CINEMA FIGHTERS project」のコンセプトプロデューサーを務める。