小池百合子知事に3500万円「満額退職金」が支払われていた “身を切る改革”どこへ

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「都議は退職金がないのに…」

 小池百合子知事(68)は、2016年の就任直後、「身を切る改革」を表明し、自身の報酬を半額にしていた。にもかかわらず、今夏、満額となる約3500万円の退職金を受け取っていたのだ。

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「私が先日、東京都の人事課に問い合わせたところ、8月21日に1期目の退職金として小池知事に約3500万円が支払われていたことが分かったのです」

 と明らかにするのは、上田令子都議。小池知事とともに活動しながら、3年前に袂を分かったかつての「同志」である。

 小池都知事に支払われた退職金の額は、正確には3494万4千円。当初は自らの報酬を月約146万円から73万円に減額し「全国最低の給与」とアピールしていた。それだけに、条例に則った支払いとはいえ、退職金をちゃっかり全額受け取っていたことには首を傾げざるを得ない有権者も多いのでは。当然、2期目を全うすれば同額の退職金が再び支払われることになる。ちなみに7年8カ月在職した安倍晋三前総理でさえ、退職金は900万円足らずである。

 小池都知事が給与半減を宣言した当時、知事の報酬が都議よりも低い水準になってしまったため、連動する形で都議の報酬は2割削減された。都政担当記者は、

「都議は退職金がないのに、本人は満額受け取る。場当たり的なパフォーマンスの結果、こうしたちぐはぐな状況が生まれているのです」

 と評する。退職金を満額受け取ることで、報酬半減の帳尻合わせをしようとしている、と見られても仕方がない状況なのだ。11月12日発売の週刊新潮では、知事の退職金を廃止した大阪府の例と併せて詳報する。

週刊新潮 2020年11月19日号掲載

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