フランス「表現の自由」に横たわる流血の「深層」

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 フランスは難しい。

 テレビの報道番組でリポートを制作・放送するのも、文章を執筆するのも、フランスの歴史を十分に踏まえないと、表層的になってしまいがちだ。イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を描く「表現の自由」をめぐって凶悪な事件が相次ぐ現状も、フランスの歴史抜きには理解できない。もちろん、テロや暴力行為は決して許されない。一方で、テロを指弾してフランス流の「表現の自由」を絶対視しても、流血に歯止めをかけることにつながらないように思える。

 2020年10月16日、パリ近郊の中学校に勤めていた男性教師サミュエル・パティさんが首を切断されるという凄惨な事件が起きた。...

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