文政権は「東海表記」「WTO」で中国に裏切られ、「日本が邪魔をして」と見当違いの攻撃

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世界的スターBTSが中国から非難されても守ろうとせず

 文在寅政府は発足時から「反日、親北」を繰り返し、度が過ぎる「親中」で一貫している。

 文大統領は2017年12月15日、北京大学で「中国は山の峰のような国」「中国はアジアのすべてで全人類の夢」だと演説し、文大統領と民主党所属議員、文在寅の支持者は香港の民主化運動には沈黙した。

 いま韓国では、文大統領と民主党国会議員の大半が20~30代の頃に独裁政治に対抗して民主化運動を行ない、現在は独裁の極北である中国の顔色を窺っているという批判が提起されている。

 また、今年はじめ、中国で新型コロナウイルスが拡散し始めると、韓国の医療団体や保守系野党は「中国からの入国を一刻も早く禁止してほしい」と訴えたが、青瓦台(大統領府)は「実益がない」と要求を無視して、中国からの入国を継続的に認めてきた。

 これに対し、3月には韓国377大学の教授6094人が“売国的な親中政策の文在寅大統領と民主党”を批判する声明文を出した。

 しかし、ここまでして“中国”に真心を込める文大統領は、中国に「東海」を「東中国海」または「黄海」に変え、「日本海」を「東海」と変えてほしいという要求さえ出せないでいる。

 中国から来る外国人の入国を禁止せず、新型コロナウイルスが韓国内で急速に広がり始めると、文大統領が任命した朴凌厚(パク・ヌンフ)保健福祉部長官は「中国から戻った韓国人の感染の方が外国人より多い」と話し、「自国民の感染に転嫁して中国人を擁護するのか」という非難を浴びた。

 また、BTSが最近、朝鮮戦争70周年に際して「両国(韓国・米国)が共に経験した苦難の歴史と犠牲を永遠に記憶する」と発言すると、中国で「朝鮮戦争に参戦した中国軍人の犠牲を無視した発言だ」という批判が起き、BTSに対する非難や不買運動に発展したが、文大統領と民主党がBTSを守る発言をすることはなかった。

 あれほど世界的に「韓国」をアピールしてくれたスターに対して、である。

 文大統領は韓国の大統領なのか、中国に属する韓国の州知事なのか、中国に堂々とした態度で臨まない文大統領には、疑問を抱かざるを得ない。

WTOトップ選挙で中国は韓国候補を支持せず

 韓国政府は最近になってまた中国に裏切られている。

 世界貿易機関(WTO)の次期事務総長選挙で、兪明希(ユ・ミョンヒ)韓国産業通商資源部通商交渉本部長とナイジェリアのヌゴジ・オコンジョイウェアラ元財務長官が最終候補に残っている。

 しかし、「韓国を支持してくれるだろう」と期待していた中国は、ナイジェリア候補者支持に。

 米国は兪明希候補を支持すると発表したものの、中国をはじめ、日本、ニュージーランド、欧州連合(EU)などがナイジェリアの候補者を支持しており、兪明希候補の当選は難しくなった。

 韓国メディアは、「日本が邪魔をしている」 「日本は味方ではない」など、兪明希候補を支持しない日本を非難し、自国候補劣勢の怒りを反日感情に転化している。

 韓国は「NO JAPAN」や「日本製品不買運動」を叫んで日本のビールを踏みにじり、日本車を壊すなど敵対心を露わにし、また昨年8月、韓国をホワイトリストから除外した日本をWTOに提訴した。

 だから、日本政府には韓国人候補を支持する道理がない。

 もし、自国候補ではなく、日本人候補だったら韓国は日本を支持するだろうか。

 文大統領が幻想を抱き、信じ切っている中国が韓国候補を支持しない現実。これになぜ、不満を吐露せず、妨害だと非難しないのか。

 日本政府の立場は、李明博大統領や朴槿恵大統領の当時と大きく変わっていない。

 当時、韓国と日本は“対等な関係”で“良い友達”だった。

 民間交流は活発で、両国民は互いの文化や食べ物、芸能人に深い関心を持ち、ソウル・明洞は日本人観光客で、東京の渋谷や大阪の難波は韓国人観光客で溢れ返った。
 
 一方、「親中政権」は、まるで上下関係でもあるかのように中国に対して何も言えない。

 いまの中国と文在寅政府の関係は異常そのものである。

韓永(ハン・ヨン)
検察担当記者などを経て現在フリー

週刊新潮WEB取材班編集

2020年11月3日掲載

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