イチローの“お友だち会社”から逮捕者 過去に「不動産トラブル」「暴力団との交遊」も

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 先人はよく言ったもので、天は二物を与えないという。だが、世の中には必ず「例外」が存在する。その筆頭が、我らが誇るスーパーヒーローのイチロー(47)だ。

 現在、シアトル・マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務める彼は、言わずと知れた稀代の天才プレーヤーである。走攻守、これほど見事に三拍子揃った選手は、野球史を見渡してもそうはいまい。

 プレーだけでなく、心に響く独特の言葉のセンスや、求道者然と努力を積み重ねるひたむきさも兼ね備え、多くのファンから支持されてきた。野球の才能とストイックな人間性を併せ持つ、まさに例外的存在と言える。

 しかし一方で、この世に「完璧」が存在しないのもまた事実。二物を与えられたイチローも――。

「ついに逮捕者が出ましたが、これで騒動が終わるかどうかは分かりません。果たしてイチローさんはどう思っているのか……」

「逮捕者」と「イチロー」。似つかわしくないように思える二つの言葉を並べてこう語るのは、住宅リフォーム業界の事情通だ。

「今月8日、京都府警生活保安課と八幡署が、『明治建築』(兵庫県明石市)の元社員ら6人を特定商取引法違反と詐欺の容疑で逮捕しました。その手口は、一般の人の家に行き、屋根裏や床下などを点検して、本当はリフォームする必要などないのに『これは補強せんとダメです』などと言って騙すというものです。そうやって不必要なリフォームを行い、複数の被害者から計639万円を詐取した容疑で逮捕されています」

 被害者には同情を禁じ得ないが、「よくある」リフォーム詐欺の手口であり、目新しさはない。さはさりながら、今回の事件は「特別」だ。それには次の二つの理由が挙げられる。まず、

「明治建築は『ネオガイアホールディングス』(兵庫県神戸市、以下ネオガイア)傘下のグループ会社なんですが、明治建築以外のグループ会社も問題を起こしているんです。例えば『さくらメンテナンス工房』(大阪府大阪市)は、昨年12月に消費者庁から特定商取引法違反を指摘され、12カ月の業務一部停止処分を受けています。同じくグループ会社の『メノガイア』(神戸市)も、今年3月に15カ月の業務一部停止処分を受けました。つまり、『ネオガイアグループ』は曰く付きの集団なんです」(同)

 なるほど、これだけ立て続くと「悪質な住宅リフォームグループ」とのレッテルを貼られても仕方なく、「これで騒動が終わるかどうか」と懸念されるのも頷ける。ここで話は我らがヒーローに戻り、二つ目の理由へと繋がっていく。

「そのネオガイアの『ドン』は58歳の会長で、イチローさんの『タニマチ』と言われているんです」

 こう耳打ちするのはネオガイアの関係者だ。

「神戸にイチローさんが通い続けている牛タン屋があり、会長もそこの行きつけで、その縁でイチローさんと仲良くなったんだそうです。ふたりが『特別な関係』であるのは間違いない。なにしろイチローさんはネオガイアの株主にまでなっていますからね」

 普通、「ただの知り合い」の会社の株主にはならないだろうから、「問題グループ」の会長とイチローの「ただならぬ仲」が窺い知れる。実際、ネオガイアの現役幹部はこう明かす。

「ネオガイア本社の3階には幹部専用のジムがあり、オフにアメリカから帰国したイチローさんは、そのジムを使うことが特別に許されていました。12階の会長室にはイチローさんとのツーショット写真が飾ってあると言われている。さらに会長は、昨年3月に東京ドームで行われたイチローさんの引退試合も観に行き、観戦後にイチローさんと一緒に食事をしています」

 イチローと「問題グループのドン」の深い仲。人間関係におけるイチローの「選球眼」は大丈夫なのか気になるところだが、この世に「10割打者」は存在せず、彼だってたまには「打ち損じる」こともあろう。

イチローのコメントは…

 しかし、イチローの事情に詳しいジャーナリストは、

「今回の件に驚きはない」

 として、「イチローの真実」をこう続けるのだった。

「グラウンドのイチローは修行僧のような雰囲気を漂わせていますが、一歩グラウンドを出るとだらしがないというか、脇が甘い。事実、これまでにもいろいろなトラブルがありました」

 確かに振り返ってみると、例えばかつて本誌(「週刊新潮」)を含め複数のメディアが報じたのが「不動産トラブル」だ。

「メジャーリーグ移籍後の2005年、イチローは『IYIコーポレーション』という資産管理会社を設立しました。社名はイチローと弓子夫人、そして愛犬の一弓(いっきゅう)のイニシャルから名付けられたものです。イチローはその会社での資産運用を、運転手を兼任させるほど身近に置き、全幅の信頼を置いていた投資顧問の男性に任せていた。その投資顧問が、新潟県の妙高山の麓で計画されていた墓苑計画などに手を伸ばしたんです。注ぎ込んだ資金は10億円以上でした」(同)

 ところが計画に暗雲が垂れ込め、「迷走」を始める。

「計画に携わっていた地元の土建業者らが激怒し、投資顧問サイドを提訴する事態に発展。原告側は『IYI社投資顧問』の肩書き、つまり実質的にはイチローの信用力のもとで計画は進められていたと主張し、ここでもイチローが『怪しい投資顧問』に利用されていたことが浮き彫りとなりました」(同)

 果たせるかな、不用意に人を信じてしまうのがイチローの急所と言えそうだ。さらにこんな「ヤバい話」もある。暴力団員との交際だ。「週刊宝石」(1999年3月11日号)によると、

〈体には、天に昇って竜になるといわれる出世魚の緋鯉と、牡丹の刺青がある。短髪と小指の欠損。一見してその世界の人と知れ〉、〈弁当(執行猶予)もつかず、懲役にも行きました〉という福岡県在住の人物が、こう告白しているのだ。

〈彼(イチロー)が九州に来たときは会っていたよ。試合が終わるとホテルで待ち合わせしたりして食事に出かけるのが常だった。毎回10万円以上はポケットに入れて、ご馳走していたよ〉

 ふたりの危ない交際は、当時イチローが所属していたオリックスも事実を認めていて、この話もイチローの隙の多さを物語っている。

 この他に、20代の時に30歳の人妻と不倫をし、巨額の手切れ金を払っていた過去が暴露されたことも……。

 イチローはマネージメント会社を通じ、ネオガイアの会長とは友人関係で、株主であることは認めつつ、会長はタニマチではないと否定しこうコメントした。

「私の座右の銘は、タニマチは持たない。誰にも言いたくなかったけれど、夢は僕がタニマチになること草〈注・(笑)の意のネットスラング〉」

 ならば、そんなイチローにお勧めの方法がある。ネオガイアグループによる被害者たちの「タニマチ」となり、彼らの損害を補償してあげることだ。

 スポーツ評論家の玉木正之氏が苦言を呈する。

「イチローほどのビッグネームであれば、私人ではなくもはや公人です。付き合う人を選ばないとダメ。脇が甘いというか、もう少ししっかりしてくれないと」

 グラウンドの内外で「別の顔」を持つイチロー……。やはり先人は偉大なようだ。

週刊新潮 2020年10月29日号掲載

特集「“修行僧”のオフは隙きだらけ 危ない交遊録に新たな一章 『イチロー』のお友だち会社から逮捕者が出た!」より

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