報道界の良心? 日テレ藤井貴彦アナにフジ伊藤利尋アナ…癒やしの「おじアナ」ブームが到来か!?

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 長らく女子アナの陰に隠れてきた男性アナウンサー。有名人との結婚とフリー転身で世間を騒がせる同期女性たちを、静かにキャリアを積み続ける彼らはどう見ていたのだろう。

 しかし最近、男性アナウンサーに再評価の兆しがある。筆頭は日テレ・藤井貴彦アナウンサーだろう。

 1994年入社で26年目の大ベテランで、実はフリー転身した羽鳥慎一アナウンサーと同期。しかし華々しい経歴を歩んだ羽鳥アナとは違い、「好きなアナウンサーランキング」とも長らく縁遠かった藤井アナ。ずいぶん水をあけられたと、周囲以上に本人が思っていたのではないだろうか。近年では「今年も好きなアナウンサーランキングには入りませんでした」と自虐コメントをするのも話題になっていた。

 しかし彼を一気に有名にしたのは、コロナ禍での「news every.」である。他の番組が繁華街の人の少なさを「異様な光景」と評する中、メインキャスターである藤井アナは「外出自粛してくださる皆さんのおかげです、ありがとうございます」とポジティブに伝えていた。自粛下の視聴者をいたわる名セリフは連日注目され、人気は急上昇。最近では「重用」を「じゅうよう」と読んだ市來玲奈アナを注意したが、実は正しい読みであったことがわかり謝罪したのも話題になった。自分の非を認めて誠実に報道に向き合う姿勢に、「理想の上司」と称賛が集まっている。

 その藤井アナの1期下が、フジテレビのアミーゴ伊藤こと伊藤利尋アナである。坂上忍によるパワハラ疑惑がくすぶっていた「バイキング」で、榎並大二郎アナウンサーに代わって登板。かつては「とくダネ!」で小倉智昭や笠井信輔アナウンサーをサポートしていただけに、メンドくさいおじさんあしらいはお手の物といったところか。軽妙ながらも安定感のある進行で、アシスタントではなくダブルMCとしての風格を見せた。坂上の手綱さばきもまずまずのようである。

 思えば伊藤アナも、番組の顔というよりは女房役という役回りが多かった。とんねるずからの寵愛ぶりや、三枚目キャラが板につきすぎていたのが災いしたのだろう。裏を返せばそれだけ器用ということであり、報道番組での進行やコメントは的確であった。

 藤井アナにも伊藤アナにも共通しているのは、アナウンサーとしての技術以上に、立ち位置をわきまえているということではないか。しゃしゃりでないこと、芸能人然としないこと。それは同年代での出世頭・TBSの安住紳一郎アナウンサーにも通じる。彼らの奥ゆかしさはプロ意識の表れでありながら、目立ちたがる女子アナや、それを良しとする偉いおじさん管理職の前では、いいように使われてきたということだろう。しかし、その奥ゆかしさが報道界では珍しいものになったからこそ、彼ら「おじアナ」に安心する視聴者が増えてきているのではないだろうか。

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