「福留孝介」「糸井嘉男」が危ない…阪神はオフに大粛清か?“整理対象選手”の実名

スポーツ 野球

  • ブックマーク

Advertisement

 セ・リーグの2位にはなっているものの、首位の巨人からは大きく離されている阪神。一昨年オフには西勇輝をFAで獲得し、昨年オフにはボーア、サンズといった外国人選手を補強したものの、2005年以来となる優勝はまだまだ見えてこないというのが現状である。ライバルである巨人がリーグ連覇を達成しても多くの選手の入れ替えを示唆しているが、阪神も同様のことが起こる可能性は極めて高い。そんな阪神で去就が危ぶまれる選手をピックアップしてみたい。

 まず真っ先に名前が挙がるのが大ベテランの福留孝介だ。2015年にはベストナインとゴールデングラブ賞を受賞し、翌年にも打率3割をクリアするなど30台後半になっても見事な活躍を見せていたが、球界最年長の43歳となった今シーズンは打率1割台と極度の不振に陥り、目立った活躍を見せることができていない。

 特に速いボールに対する反応の遅れが目立ち、打席に対する三振率も大きく悪化している。野球に対して真摯に取り組む姿勢や、若手への叱咤激励、アドバイスなどプレー以外での貢献度や存在感は依然として大きいものがあるが、来年で44歳という年齢と今年の成績を考えると、引退を勧告する可能性は高そうだ。

 もう一人のベテランである糸井嘉男も決して安泰と言える状態ではない。過去2年間は打率3割をクリアしてはいるものの、故障が多く、オリックス時代と比べても出場試合数は大きく減少している。今年も開幕当初は好調だったものの、徐々に成績を落とし、スタメンを外れる機会も多い。福留ほど極端に成績が落ち込んでいるわけではないが、今年が4年契約の最終年であり、推定年俸はチームトップの4億円というのもネックとなる。大幅な減俸を提示して交渉が折り合わずに退団というシナリオも十分にあり得るだろう。

 投手陣も最年長の藤川球児が今シーズン限りでの引退を表明したが、他にも肩を叩かれそうなベテラン選手は少なくない。投手最年長の41歳となる能見篤史は中継ぎとして登板機会は多いものの防御率は5点台と苦しんでいる。ソフトバンクから新加入した中田賢一も先発の一角として期待されたが、ここまでわずか3試合の登板で防御率は7点台と戦力になっていない。通算60勝を誇る岩田稔、2017年には最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した桑原謙太朗の二人も30台後半という年齢と今年の成績を考えると、整理対象となっても全くおかしくないだろう。

 岩田は10月1日の中日戦で7回途中まで投げて無失点の好投で今季初勝利をマークしたが、他の3人も残りのシーズンでどこまで存在感を示すことができるかが重要になりそうだ。

 ここまでは35歳以上のベテランをピックアップしたが、その下の中堅と言われる年代にも立場が危ない選手は多い。

 内野手では上本博紀、荒木郁也、外野手では俊介、伊藤隼太といったところが候補になりそうだ。上本は2014年には規定打席に到達して142安打を放つなどセカンドのレギュラーとして活躍したが、ここ数年は糸原健斗などの台頭もあって成績を落としており、今年も打率1割台と低迷している。推定年俸は4800万円とレギュラークラスの金額であり、コストカットという点からもターゲットになりそうだ。

 俊介も貴重な外野のバックアップ要員として重宝されてきたが、昨年はわずか6試合の出場でプロ入り初の一軍安打0に終わった。今年もここまで二軍暮らしが続いており、来年で34歳という年齢を考えると、そろそろ厳しいと判断されることも十分考えられるだろう。実績はないもののどこでも守れる器用さが売りの荒木、かつてのドラフト1位である伊藤も今年の成績を見る限り戦力となっているとはとても言えない。今年で荒木は10年目、伊藤も9年目という在籍年数を考えてもかなり厳しい状況であることは間違いない。

 こうして見ると巨人以上にベテランに候補が多いことがよく分かる。かつて故・星野仙一氏が監督を務めた時にも大幅な血の入れ替えを断行したが、このオフにも同様のことが起こる可能性は決して低くないと言えるだろう。

※成績は10月5日試合終了時

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年10月11日掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。