「日本不買」を展開する韓国なのに…ヒュンダイの日本再上陸の狙いとは?

国際 韓国・北朝鮮 2020年9月14日掲載

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世界的スターのBTSがグローバルキャンペーンに起用されたが

 2009年に日本からの撤退を余儀なくされたヒュンダイ。今度は水素自動車「ネッソ」を携え、日本再上陸を計画中だ。世界的スターのBTSがグローバルアンバサダーとして活動中で、「グローバルの水素キャンペーンにBTSを起用することで、環境問題の意識を高め、持続可能な未来のために水素を活用したい」と同社は意気込んでいる。文在寅政権は「水素経済」を国家プロジェクトに掲げるが、その一方で「日本不買」キャンペーンを続ける中、再上陸に勝算はあるのか。

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 トヨタが初代プリウスを発表したのは1997年。2003年に2代目が登場した。

 完成形に近づくプリウスの技術に対抗しようにも、他メーカーの開発の出遅れ感は否めない。

 ヒュンダイもまた、プリウスの成功を受けて新しいハイブリット車の開発に着手するものの、構想した主なハイブリッド車技術の特許の多くはトヨタと関連会社が所有していた。

 新技術を開発するには時間がかかりすぎる。

 危機感を募らせたヒュンダイは、トヨタと関連会社所有の特許期限が切れる技術に的を絞って開発を続けた。それで発売したのが2016年のアイオニック(IONIQ)だ。

 ところで韓国では「日本不買」キャンペーンの声は喧しいが、ダントツの人気を誇るハイブリッドカーはプリウスだ。

 トヨタの水素自動車ミライは2014年12月に発売。ヒュンダイ初のハイブリットカーより2年も早いことになる。

 そして、2015年には日産、ホンダと共同で、水素ステーションの整備促進に乗り出すことになった。

文大統領がヒュンダイを視察訪問して水素自動車に試乗

 ミライの発売当初のメーカー希望小売価格は消費税込で723万6000円だった。

 しかし、ドイツのある自動車メーカー関係者は「ゼロ1個間違っている。7000万円だろ」とこぼしたとされる。

 実際、売れるほどに赤字が増えるクルマであることは衆目の一致するところだ。

 ヒュンダイは水素自動車の開発に関して、こんな発表をしていた。

「1998年の水素電気燃料の開発を皮切りに、2003年には独自開発スタックを搭載した水素電気車開発のためのプロジェクトに着手。わずか3年後の2006年に世界最高水準の水素電気車の独自開発に成功し、主要部品の国産化を成し遂げ1次目標を達成しました」

 しかし、その後に2次、3次目標……と続かなかったのは言うまでもない。

 初の商用水素自動車の「ネッソ」発売は18年3月まで待たねばならなかった。

 販売量は18年の730台から19年は4190台へ。

 2019年8月29日には、文大統領がヒュンダイを視察訪問して水素自動車に試乗。それ以前から注力してきた「水素経済活性化」が国家プロジェクトであることを強く印象付けた。

 今年の販売台数は5000を越えるというのが業界の予想で、ヒュンダイ自身、「ネッソは20数年間開発を続けてきた水素燃料電池技術が集約された車だ」と胸を張っている。

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