「ダレノガレ明美」美容クリニックを監修 「やせる注射」の危険性、医師が警鐘

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 9月1日、東京の原宿に、「HAAB×DREAM BEAUTY CLINIC」なる美容クリニックがオープンする。モデルのダレノガレ明美(30)がそのエステプロデューサーということで美容業界から注目されているのだが、同時によからぬ情報も流れはじめ……。

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 実はこの美容クリニック、すでに8月4日にプレオープン済みで、原宿駅からほど近い場所に建つガラス張りの瀟洒なビルには、彼女の顔写真も見える。クリニックの宣伝文句を借りれば、

〈韓国で認知度No.1の「ドリーム整形外科」と日本で大人気の「HAABビューティークリニック」と提携する、新しいクリニック〉

 とのことだが、プレオープンしているのに施術内容の詳細はほとんど分からない。で、美容関係者からは、

「HAABビューティークリニックが売りにしている“痩身注射”はここでも扱うのだろうか。扱うのはマズいんじゃないか」

 そんな声が聞こえてくるのである。その、やせる注射がなにゆえに問題視されるのかというと、

「一般的な痩身注射は、植物由来の成分で脂肪の細胞膜を溶かします。狙った部位の脂肪を落としていくのです。しかし、HAABクリニックはその注射に“リポジェクション注射”とオリジナル名をつけ施術しています。これにステロイドを混ぜているのです。にもかかわらず患者に通知していませんでした。クリニック名は伏せられていたものの、この事実を、7月に『女性セブン』が報じた。するとHAABは、ステロイドが含まれている事実をあわててHPに明記しました」

見せかけの痩身効果

 HAABクリニック関係者は、その事実を認めつつ、こう打ち明けた。

「リポジェクション注射には花粉症注射などでも使われるステロイド剤、ケナコルトが含まれています。これを事前に患者に伝えて同意書を取らないと、医師の説明義務違反となります」

 注射の“中身”は、

「生理食塩水500ミリリットルにアミノフィリン50ミリリットル、ケナコルト5ミリリットル、キシロカイン20ミリリットルを混ぜ、その混合液から20ccをとって注射します。これを1週間に1回、1クール12回を目安に注射するのですが……」

 1回2万5千円、1クール30万円だ。

「そもそも、この成分で“ほんまに痩せるかなあ”というのが率直な感想です」

 と、「松本クリニック」の松本浩彦院長が首を傾げる。

「早い話、ケナコルトは注射したときの炎症を抑えるために入れているのでしょう。キシロカインは注射時の痛みを抑えるもの。そうなると、残るのはアミノフィリンですが、これは基本的に喘息のための薬です。利尿作用があり、局所的に体脂肪を減少させる可能性はあっても、これだけの分量では効果は見込めない。高濃度で注射すれば一定の痩身効果があるかもしれませんけれど、それだけの濃度だと、心臓がドキドキしてしまうといった副作用が出るのは確実です」

 さらに続けて、

「単なる既存薬のチャンポンです。アミノフィリンの利尿作用で一時的な体重減少の可能性はあっても、ふつうに食事をして水分補給をすればすぐ元に戻ります。そんな見せかけの痩身効果で高額な治療費をせしめるのは商道徳的に問題がありますし、医師の倫理としてもいただけないですね」

 そんな注射を売り物にしているHAABが提携したクリニックで、ダレノガレ明美がエステの監修をしているわけだ。

 SNSで〈たくさんの女の子の悩みやコンプレックス、綺麗になる手助けをすること〉が夢と書いていたダレノガレ。本人に代わってマネージャーがこう語る。

「うちはエステティックの監修ですので、リポジェクション注射にどういった成分が含まれているのかは知る由もありません。HAABの方に問い合わせましたが、ステロイド剤が含まれていることは告知もしていて、施術する医師からも患者さんに十分な説明を行っていると聞いております」

 本人の情熱と裏腹に、いかにもお粗末な出だしとなった“ダレノガレクリニック”。広告塔として知名度を利用されただけでなければいいけれど。

週刊新潮 2020年9月3日号掲載

ワイド特集「積み残しの宿題」より

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