「二宮和也」「西畑大吾」「美少年」「キンプリ」…ジャニーズと平和の物語

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ジャニー喜多川が直接、子どもたちに戦争経験を語ることもよくあった

 ジャニー喜多川が作・演出を手掛け、晩年に力を注いでいた帝国劇場での舞台『JOHNNYS' World―ジャニーズ・ワールド―』シリーズ。Hey! Say! JUMP、Sexy Zone、King & Princeといった近年のジャニーズの王道グループたちが座長を担ってきた作品であり、もちろん美 少年も出演し続けてきた。

 この舞台で一貫して発されていたメッセージのひとつが、平和の尊さである。ジャニー喜多川は、自身も戦争を経験し、朝鮮戦争には米軍の一員として参加している。

 東京大空襲や特攻隊、少年兵の出兵、鼓笛隊にライフルを持った行進といったシーンが次々と盛り込まれる。セリフでも「新しい時代を生きる若者たちにこんな悲劇、体験して欲しくない!」と訴えられ、「今日だって世界のどこかで戦争は起きてる。戦争と無縁な人生、それが当たり前だと思っているのは、この国に住んでる人だけなんだよ! このありふれた毎日が幸せなんだよ……俺たちはこの幸せに気づかないといけいない」と、見た者が今の平和のありがたさに気づけるように作られていた。

 もちろん、タレントたち自身に戦争体験はないが、生前は、ジャニー喜多川が直接、子どもたちに戦争経験を語ることもよくあったといい、タレントたちがそれぞれにジャニー喜多川が思い描く平和をステージ上で体現していた。

 とはいえ、ジャニーズ事務所やジャニーズのタレントたちは、戦争反対といったメッセージを直接発することは少ない。ジャニー喜多川は「説教がましくは言いたくない。ショーで日本にもかつて戦争があったことを知ってもらえれば。昔を生きているからこそ、平和の尊さが分かっている」と生前語っており、あくまでエンターテインメントに託すのがジャニーズ流なのだ。(朝日新聞2017年1月23日夕刊)

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