新番組「有田プレビュールーム」が早くもピンチ 業界人が分析する「有吉の壁」との差

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“有田ワールド”になってない

 この差は、どこから来るのだろうか。

「有吉さんは、かつて『進め!電波少年』(日テレ)のヒッチハイクの旅企画で話題となった猿岩石の1人としてブレイクしましたが、その後人気は低迷。ピン芸人となっておよそ10年のどん底を経て、『アメトーーク!』(テレ朝)で、品川庄司の品川祐に対して“おしゃべりクソ野郎”と表現したことが大ウケ。毒舌を効かせた“あだ名の命名”を芸として再ブレイクしました。そういうキャラをさらに発展させたことが、『有吉の壁』とマッチしているのでしょう。良いか悪いか、独断でズバッと斬ったり、芸人をイジって笑いにするご意見番ポジションに上り詰めています」(同)

 有田はといえば、

「お笑いコンビ・くりぃむしちゅーでは、相方の上田晋也さんがうんちくを武器に先にピンで活躍していました。有田さんが注目されたのはやはり『全力!脱力タイムズ』(フジ)でしょう。報道番組を装いながら、徐々にお笑いへとズレていく“報道バラエティ”という新しいジャンルを作り出しました。しかも、この番組で有田さんはただの出演者ではなく、裏方、プロデューサー役もこなしている。どんな展開にするか、スタッフと話し合い、番組を作っているそうです。『脱力タイムズ』に代表されるように、有田さんの面白さが存分に発揮されるのは、彼自身が番組作りに参加することです。彼はボケなどを発信し、そこから出演者を巻き込んで笑いを膨らませていく。誰かにムチャ振りをして笑いを作り、それを転がして膨らます、といった増殖させる笑い、演劇的な笑いを作り上げる天才と言っていい。有田ワールドになればなるほど面白く、話題になっていくのです」(同)

「プレビュールーム」は、有田ワールドにはなっていないということだろうか。

「まず、プレゼンのためのVTRが面白くない。それも10分以上あったりして長い。その間、有田さん達はワイプで出演しますが、視聴者と一緒にプレゼンを見ている状況です。その後、スタジオで議論されるわけですが、その時間は短い。毎回3本ほどVTRが流されますから仕方ないのでしょうが、それだけに有田さんの影が薄い。もちろん、有田さんは裏方的なことはやっていないでしょう。VTRは最終的に有田さんが判定するわけですが、“打ち切り”判定となった時に視聴者は、なぜ失敗企画を一緒に見せられなければならないのか、と思うんじゃないでしょうか。それを今、一番感じているのは有田さん自身かもしれませんよ」(同)

週刊新潮WEB取材班

2020年8月10日掲載

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