郡山のガス爆発事故、報ステ「コロワイド」「レインズ」の名を全く出さない違和感

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レインズ社長の会見

 具体的には、「報ステ」が“運営会社の発言として扱ったのは、上記の通り3カ所ある。まず、〈“運営会社”によると、「店は新型コロナの影響で、4月から休業。現在改装中で、来月3日から営業を再開する予定だった」〉については、

根本:当該店舗は緊急事態宣言が発令された4月23日以降休業しているお店でございます。このお店は7月21日から7月31日まで、こちらで改装工事を行っておりました。引き渡しが7月31日でございます。再オープンが8月3日を目指して工事をしておりました。

 また、〈“運営会社”によると、工事はガス関連のものはありませんでしたが、昨日、ガスコンロ近くにコンセントを増設する工事が急遽行われていました〉は、

根本:なお、先ほどの工事内容を確認していく中で、コンセントの交換、先程途中で急遽工事が入りましたが、この際の工事内容については基本ガスを使用する工事ではないので……。

 そして、〈“運営会社”によりますと、4月の時点でガス台の調子が悪かったということで、昨日、IH化するためのコンセントを増設する工事を行っているそうなんですね〉は、

根本:7月29日昨日(中略)ここに加えて急遽ガスコンロ近くにコンセントを増設、これが、工事依頼が急遽入りました。これは厨房のガスコンロが使用できない状況を鑑みて、IH、いわゆる電気の熱源で厨房を工事するということを設計して工事がございました。

 いずれもレインズの根本社長の発言である。レインズと高島屋商店、両社の社長をニュースで扱えば済む話である。にもかかわらず、なぜ高島屋商店社長だけの発言だけが実名で使われたのだろうか。

「根本社長は真摯に答えていましたから、会見映像も使ってあげれば良かったと思いますけどね。コロワイドの野尻社長も『全力で対応』すると明言していましたし、レインズは早速“爆発事故被害状況受付窓口”を立ち上げて、対応に取り組んでいます。ちなみに、コロワイドの大戸屋への株式公開買い付け(TOB)は、敵対的TOBとなっており、批判の声も出ています。これ以上、ブランドイメージを損なわないためにも、事故対応はしっかりやろうとしているのでしょう」(前出・業界通)

 被害が甚大だけに賠償も多額になると思われるが、

「大戸屋株を手に入れるため、コロワイドは1株あたり3081円という価格を設定しています。これはTOB発表直前の終値2113円の1・46倍に当たります。コロワイドは3月期連結決算の最終損益で64億円の赤字となっているにもかかわらず、大幅に上乗せした価格、およそ70億円もはたいて大戸屋株を買い取るというわけです。すでに大戸屋株主には、TOBに協力を要請する文書が送られていますから、買収を諦めることはないでしょう。同社は7月28日には90億円の第三者割当増資を発表しました。増資の理由は、あくまで財務基盤の強化のためとしていますが、大戸屋買収のための備えと見る向きは少なくありません。そこへきて、この事故です。期せずして、被害者のための資金の準備は整っています。手厚い補償をしてもらいたいですね」(同)

 テレ朝の広報は、何を勘違いしているのか。

週刊新潮WEB取材班

2020年8月5日掲載

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