郡山のガス爆発事故、報ステ「コロワイド」「レインズ」の名を全く出さない違和感

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「牛角」のCM

 なんだかおかしいなあ、と思いながら「報ステ」を見ていると、富川アナから「報道ステーション、また明日です」と、おしまいの挨拶。その直後だった。「牛角」のCMである。前述した通り牛角はコロワイドグループであり、レインズが運営している。

 CMがあるので、コロワイドやレインズの名を敢えて出さなかった? “大人の事情”? まさかそんなことはあるまいが、念のため、テレ朝に聞くと、

〈当該事故の報道に当たって、当社が何らかの配慮を行った事実は一切ありません。貴誌のご質問の前提には誤解があり、趣旨にも明確な誤りがあります。間違った報道につながると危惧しております。なお、ご質問事項について真実に反する記事が報じられた場合、当社への名誉毀損などに該当する可能性が高いことを申し添えます〉(テレ朝広報部)

 事実を確認しただけになのに、やけに居丈高な回答である。テレ朝の名物記者・玉川徹氏が官庁からこんな回答を受け取ったら、激怒して『モーニングショー』で放送するのではないだろうか。いったい“誤解”とは何なのか、再度問い合わせると、「スポットCMの定義」なんだとか。ならば誤解のないように、その定義を教えてほしいと頼んでも、教えてくれないのである。

 ちなみに、翌日の「報ステ」で今回の事故を扱うことはなく、牛角のCMは番組後半に流された。メディア文化評論家の碓井広義氏は言う。

「スポットCMは、番組提供のタイムCMとは異なり、番組を指定したCMではありません。だから、牛角CMは『報ステ』には関係ないと言いたいのでしょう。とはいえ、そんなことは視聴者には関係のない話でしょう。その日、報道するニュースに関わる会社のCMが入っているなら、事前にスポンサーに話を付けてCMを差し替えるべきです。それを外せなかったのか、外さなかったのかは分かりませんが、できなかったために歪んだ報道になったのでしょう。しかもテレ朝の看板番組として、非常にお粗末ですね。また、事故当日には番組終了後のステブレ(Station Break)で流すことで、「報ステ」と無関係を装いつつ、翌日には番組時間内のPT(Participating commercial)で流したというのも姑息です」

 これに業界通も同調する。

「CMが入っていたから、ニュースではレインズ、その親会社のコロワイドを出さなかったと考えるのが自然です。会見の司会はコロワイド社員でしたし、なにより『報ステ』が名前を伏せた“運営会社”の発言として説明した箇所は、会見での発言と照らし合わせると、レインズの根本寿一社長の発言と重なるのですから」

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