日テレ「リモートで殺される」、なぜ敢えて「続きはHuluで」商法をやったのか

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Hulu版を観てみたが…

 ちなみに、私はHulu版も観てみたいと思い、新規登録を行い「お試し利用」をし、「リモートで殺される 殺人の裏側編」も観てみた。

 さすがにこちらまで観ると前述した1.「誰が犯人か?」2.「誰がどうやって殺されたのか?」ははっきりわかったのだが、3.「犯人(共犯者)の動機と目的は何か?」については実はかなり厳しかった。ドラマ自体が「サスペンス」なのか「ホラー」なのか、ドラマとしての輪郭がわかりにくかったためだ。

 地上波放送は関連の動画配信サービスへと誘導するため、その構造、仕組みを使いどんどん面白いことをやって、会員拡大を図っていけばいいと思う。

 しかし、今回の地上波版『リモートで殺される』とHulu版『リモートで殺される 殺人の裏側編』それぞれのドラマは、残念ながら現在の民放地上波の苦境とHulu側の会員獲得競争への焦りが合体した果てに生み出された、“歪んだドラマ”にしか見えなかった。

尾崎尚之(@YuuyakeBangohan)/編集者

週刊新潮WEB取材班編集

2020年8月4日掲載

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