徴用工「差押え株式」現金化開始、日本企業撤退リスクで韓国国民が払うツケ

国際 韓国・北朝鮮

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噴飯もの判決→ホワイト国排除→反日不買→日本企業撤退

 もちろん、韓国大法院の判決が下った直後から日本政府は、韓国政府に国際法違反の問題を強く主張した。日本は判決が下される前に両国政府がこの事件について十分な話し合いをすべきと、立会いの第3国に仲裁を要請し、第3国の客観的な決定を尊重しようと韓国政府に提案していた。しかし韓国はこのような要請に一切、反応しなかったのだ。

 その結果、日本は韓国をホワイト国から外し、韓国はその報復として大統領自ら「反日不買」を誘導することになった。それを宣告した日もまた、昨年の8月4日だった。

 一連の不買運動の後、187店であった韓国内のユニクロの店舗の数は2019年末に1割減。トヨタ自動車は韓国で2019年に販売量が半分に減り、日産は16年ぶりに韓国から撤退する。

 この間、韓国内の一部の学者たちの間では、原告側の韓国人元徴用工は本当に日本政府から強制的に連行されたのか疑問を提起する声も出てきた。複数の記録を介して判断してみると、強制徴用ではなく、自らの募集に応じたことであり、請求した未払い賃金も少額であると彼らは主張する。もちろん、この指摘はほとんどの韓国国民に反発を呼び起こしているのも事実なのだが。

 65年の日韓請求権協定において、韓国側は無償資金3億ドル、有償資金2億ドルを手にした。それには強制徴用工個人への補償金も含まれているというのが、当時の日韓共通の認識だ。

 確かに、協定の第2条1項には請求権に関しては「完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」とある。「支払った5億ドル(当時のレートで約1800億円)は大変な額で、日本の外貨準備高が18億ドルしかなかった時代に一括は無理で10年の年賦にしている。

 これは韓国の当時の国家予算の約2年分にあたり、いかに巨額の資金が韓国に渡ったかが分かる。時の大統領は、朴槿恵前大統領の実父である朴正熙氏。資金の大半を、徴用工などの救済よりも高速道路の建設など国内インフラの公共事業に投資して、「漢江の奇跡」と呼ばれる近代化を成し遂げた。

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