迷惑系ユーチューバー「へずまりゅう」逮捕に思う(KAZUYA)

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 7月11日、ある男が逮捕されました。

 今年のYouTube界で悪い意味で有名になっていた「へずまりゅう」です。彼は東京を中心に主要都市を股にかけ、一定程度有名なYouTuberに突撃し、大声を上げたり付きまとうなど迷惑行為を繰り返し、その動画をアップロードしていたため「迷惑系YouTuber」とも呼ばれます。

 人への突撃だけでなく、沖縄では焼失した首里城正殿の復興を願うメッセージが書き込まれた応援ボードに自分のサインを大きく書き残すなど、いちいち批判を集めるような行為をし、悪名を轟かせていました。

 そして愛知県岡崎市のスーパーで会計前の刺し身を食べる動画をアップ。これが窃盗にあたるとされ逮捕に至ったのです。

 YouTubeは基本的に誰にでも門戸を開いているため、ぶっ飛んだ人間でも使えてしまいます。今やコロナの影響もあり芸能人も続々参入して、競争が一段と激しくなってきたYouTubeですから、知名度のない一般人は視聴回数を伸ばすために過激な方向に行ってしまう傾向があります。

 YouTube側も対応を進めており、過激な動画は削除したり、チャンネル自体も削除したりしますが、へずまりゅう氏はチャンネルが消されても、新規アカウントで何度も投稿し続けています。

 過激な動画はこれまでもありました。しかし彼の動画は特に執拗にターゲットを追い回したり、YouTuber本人ではなく、その家族を晒すなど、迷惑行為のレベルが違います。ガタイもいいですから、突撃された人は恐怖でしょう。

 知名度の高いYouTuberを狙い撃ちすることで、注目を集められます。実際反発を招きながら知名度を伸ばしてきました。

 倫理的にNGなのは明らかですが、視聴者のコメントを見ると多くの批判がある一方、一定数の支持があることも窺えます。世の中には一般的な常識が通用しない人もいるので仕方ないですし、支持があるからこそ過激行為がエスカレートしていく面があります。

 しかしその先に一体何があるのでしょう?

 今、多少知名度が上がって稼げたとしても、将来的にはマイナスにしかならないでしょう。彼はまだ20代です。人生100年時代なのですから、まだまだ人生は続きます。刹那的に生きるという発想なのかもしれませんが、今の行動は到底褒められるようなものではありませんし、それを支持するファンも良くないでしょう。

 彼に密着したドキュメンタリー風の動画も作られていますが、コメント欄を見ると「根はいい奴」のようなコメントが散見されます。

 彼のように素行の悪い人間が、ちょっと普通のことを言うだけで好意的に評価される場合がありますが、それは元々が低レベルなので、普通の発言でもギャップが生じて良く聞こえるだけですから、簡単に騙されてはいけません。

 逮捕後、彼が新型コロナに感染していることが発覚。どこまで迷惑をかけるのか……。

KAZUYA
1988年生まれ、北海道出身。2012年、YouTubeで「KAZUYA Channel」を開設し、政治や安全保障に関する話題をほぼ毎日投稿。チャンネル登録者72万人、総視聴数は1億4千万回を超える。近著に『日本人が知っておくべき「日本国憲法」の話』(KKベストセラーズ)

週刊新潮 2020年7月30日号掲載

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