「愛の不時着」大ヒットの立役者、脚本アドバイザー告白…私は北VIPのSPだった

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拉致被害者のコンテンツをぜひとも

 退役後、ロシア・モスクワ駐在北朝鮮大使館に派遣され、貿易関連業務を行った。 04年11月、中国を経由して脱北した後、韓国に定着。韓国に来て「V.I.P. 修羅の獣たち」(2017)、「1987、ある戦いの真実」(2017)、「不思議の国の数学者」(2019)などの映画制作に参加し、「護衛司令部25時」(著)、「金塊物語」(共著)を出版した。

 脱北映画人として、執筆と演出作業を行いつつ、小説やラジオドラマの執筆も手掛けてきた。現在は、南北の人的情報網「ヒュミント」を題材にしたドラマの準備作業をしながら忙しい日々を過ごしている。

――日本人拉致被害者問題などに普段から関心を持ってきたと聞きました。

 日本で「拉致問題」について、映画やドラマをぜひ制作したい。

 1970年代半ばまでは、北朝鮮は裕福であったし拉致された2世達も多かった。

 1990年代に入って経済難が深刻化し、自分たちが日本国籍であることを知り、日本から北朝鮮に自らを送った親を恨む場合も多かった。日本の両親が残してくれた遺産を受け取れないことも少なくない。

 日本人拉致被害者は自分が生まれた場所、親のいる場所を訪れることもできず、懐かしんだところで、生死が分からず北朝鮮で人生を送ることになる。幼い時に拉致されて北朝鮮に連れていかれ、自分が日本人かどうか分からない拉致被害者もいる。極めて絶望的な現実が横たわっているのだ。

張恵惠(チャン・ヒョン)
フリーで活動中

週刊新潮WEB取材班編集

2020年7月28日掲載

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