小池都知事、“日本初の女性総理”へのシナリオ 東京五輪開催はあきらめた?

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「小池イジメ」で同情票

 とはいえ、小池知事は2017年の都議選前、創価学会のナンバー2、八尋頼雄副会長と面会を重ね、選挙協力を勝ち取った。いまは原田稔会長とのパイプもあるといわれ、公明党対策に抜かりないとの声も。加えて鈴木氏が続けるには、

「小池イジメが小池人気につながっています。小池さんを叩くほど、“小池さんはがんばっているのに”という同情票が、彼女に集まっていく可能性がある。その点を官邸は理解していない気がします」

 一方、小池知事はそれを理解して、「上手」な「やり方」を次々と繰り出しているとも言えよう。

 政治部記者が説明する。

「都知事選で、小池さんは自民党の二階俊博幹事長との関係を深め、自民系候補者を擁立させなかった。二階さんにすれば、彼女を国政から遠ざけておくためでもあり、二階幹事長の間は、小池さんが国政に色気を見せる余地はない。でも、秋の自民党役員人事で二階さんが外れたり政権が代わったりすれば、“小池さんが動き出す可能性はある”と、二階派の議員も言っている。しかも“どこの小選挙区から出ても、小池さんは圧勝する”との見方です」

 先の総選挙で立ち上げた希望の党は、完全に失敗したが、なにも新党を立ち上げずとも、票は十分に獲れるというのである。

二階派の総理候補に?

 東京五輪にはやる気を見せていないのか。さるJOC関係者が漏らすには、

「小池さんは五輪をやり遂げた都知事になりたいものの、現実には開催できないと感じている」

 また、前都知事の舛添要一氏はこう見る。

「社会の風を読み、中止の流れになれば“被害が拡大しないように私がイニシアチブをとって中止する”と言い、開催の流れになれば、“私が踏ん張って開催にこぎつける”と言う。どんな結論になろうと“私はみんなのために頑張った”とアピールすると思います」

 そうして野望を手繰り寄せるのだろう。元東京都職員で中央大学名誉教授(行政学)の佐々木信夫氏は、

「首尾よく五輪が開催されても、その後の公約はなにも明示されていない。それを見ると、状況次第で“私は五輪を成功させた。次は日本を”などと理屈をつけ、任期途中で国政に出ることもあるかもしれません」

 と言って、こう続ける。

「来年の都議選では、都民ファの議員がオセロのようにひっくり返される可能性がある。それを見据え、都議会で自民党の支持を得たほうが長生きできそうだと判断するかも。一方、国政で二階派にはいま総理候補がいない。少し深読みですが、小池さんを後継にして総理候補に、というシナリオがあるかも。彼女とは新進党からの同志である二階さんの本音は、そこにあるようにも見えます」

 先の鈴木氏は、

「二階派幹部の口からは小池の“こ”の字も出ない」

 と語るが、小池知事を担げば票が獲れるなら、二階派幹部たちが彼女を受け入れないともかぎるまい。

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