上沼恵美子の女王さま度、紳助、松本が三顧の礼…「女たかじん」の履歴書

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関西には長く上沼恵美子しかいなかった

 当の松本も、フジテレビ系「ワイドナショー」で、「彼ら(上沼を批判した芸人)はなによりも勉強不足ですよ。上沼さんという人がどれだけの人か本当にわかっていない」と発言。

 また放送作家の保志学氏は、「関西では超のつく大物芸人で、視聴率がとれ、喋りは抜群におもしろく、50歳以上の女性ファンが多くて、ディナーショーのチケットは毎回完売。私は30年以上も放送作家をやっていますが、彼女は近寄れない存在で、限られた作家やプロデューサーとしか付き合っていませんね」と解説する。

 ちなみに4つあった上沼の冠番組はいずれも高視聴率で、大阪のテレビマンは彼女を「女たかじん」と呼ぶとか。言うまでもなく、往年のやしきたかじんを彷彿させるという意味だ。

「15歳で芸能界に入って苦労をしているから気配りもでき、面倒見もいい。ブラックマヨネーズの小杉竜一(47)と吉田敬(47)、チュートリアルの徳井義実(45)と福田充徳(44)も、大なり小なり上沼さんから笑いの指導を受けています。彼らを自分の番組に出演させ、空気や呼吸を体験させ、芸を磨かせたんです」

 在阪の芸能記者によれば、“面倒見”ゆえに、「東京のテレビからは姿を消したキングコングの梶原雄太など、上沼さんに気に入られたおかげで、『快傑』などに呼んでもらって、なんとか食えていたんです」

「上沼さんが梶原を猫かわいがりしているのは、梶原の勘が鋭いからですよ。上沼さんが嫌いそうな女性タレントをパッと見抜き、いじって笑いに変えたりする。その器用さが評価されているんです。というのも、上沼さんが共演をNGにしているタレントは多く、収録後に“あの人、本音で喋らないからイヤ。もう二度と呼ばないで”とスタッフに伝えるのなど、日常茶飯事なんです」

 その点、梶原は機を見るに敏だったのだが、それなりに収入を得るに至り、その役割を担うことに飽きたのかもしれない。

「上沼さんからNGになるのはスタッフも同じ。たとえば、スタッフ全員が集まって台本の読みあわせを行うのですが、徹夜続きのADがつい船を漕いじゃったりすると、“あの子、なんなの。もう番組に出入りさせないでちょうだい”となって、そのADの人生がそこで終わる。以前は視聴率が一定の数字を超えると、スタッフ全員が上沼さんにお手紙を書く儀式もあって、その都度、文面を考えるのが大変でしたが、そこまでやらないと彼女は機嫌よく番組に出てくれないのです」

歌声を聴いたら、スタッフ一同が絶対に涙しなきゃいけない

 そこまで偉くなった理由を、在阪の民放関係者は、

「番組にはやはり女性が必要ですが、司会ができる女性タレントは、関西には長く上沼恵美子しかいなかった。だから、お姫様とか女帝のように扱われてきたんです。毒舌が売りのタレントも、関西にはいまは大勢いますが、バラエティで毒舌を売りにしたのは、実は上沼が第一号です」

「関西はギャラが安く、4、5回出演しないと、東京での1回分にならない。だから若手は先輩に取り入って、冠番組に出してもらおうとし、先輩も視聴率のために、若手を手駒として持っておきたい。だから上沼も、これはと思う若手をテレビに出すだけで、面倒見がいいというのは違いますね」

 在阪の芸能事務所関係者の話も、なかなか激しい。

「上沼さんといえば、スタッフの間で“試練”と呼ばれていた飲み会が有名でした。以前は2、3カ月に1回、スタッフを引き連れて飲みに行ったのですが、酒量が半端ない上沼さんに付き合うこと自体つらく、2軒目、3軒目になるとカラオケを聴かなきゃならない。その際、上沼さんの歌声を聴いたら、スタッフ一同が絶対に涙しなきゃいけないんです。そうしないと途端に機嫌が悪くなるのだから、本当に手に負えません」

 そう言った悪評が耳に入らないはずがない上沼がレギュラー1番組を失った代わりに得たものとは何だったのか?

週刊新潮WEB取材班

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