「有吉の壁」、ギャラクシー賞受賞に驚く制作スタッフ バラエティ番組に変革の機運

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受賞を嫌がるカベガミー賞

「『有吉の壁』では、トークでハマらなかった芸人たちが大活躍しています。チョコレートプラネットやパンサー、ジャングルポケット、ハナコ、パーパー、脳みそ夫、すゑひろがりず、そしてとにかく明るい安村……、生粋のお笑い芸人たちを活かす数少ない番組というわけです」(同)

 芸はあるのに、トークが不得手な芸人にとってはありがたい番組だろう。

「ネタで勝負できる場ですからね。ただし、普段舞台でやっているような純粋なネタ見せではないところも、番組にとってプラスに働いていると思います。3分とか5分のネタではなく、一発芸、一瞬の笑いを作っていくわけです。ギャラクシー賞を受賞したのは、5月6日放送の2時間SPでした。コロナ禍の最中で、過去の再編集版でしたが、そのうちのひとつは“日本カベデミー賞選手権”と題して、日本アカデミー賞にいそうな俳優になりきって、架空の映画に関するインタビューに即興で回答するというもの。ノミネートのインタビューに即興で答えることから始まり、有吉の独断で受賞することになれば、さらに受賞のスピーチまでやらされる。さらにそのスピーチがつまらなければトロフィーから電量が流れるとあって、誰もが受賞を嫌がるという趣向が面白かったですね」(同)

 映画「山猿」の主演俳優・微糖英明になりきった四千頭身の後藤拓実は、幸か不幸か最優秀新人賞に。受賞のスピーチで、苦しげにこう〆た。

《カベガミー賞、絶対に続いて欲しいと思います。いろんな人に……この感覚を味わっていただきたいっ!》

 授賞式会場では、他の芸人たちが大ウケしている。会場もそれらしく作ってあるし、芸人たちもタキシードを着用し、メイクまでして凝っている。番組全体がコントのようだ。

「コロナ禍でもバカバカしいことをやり続け、お茶の間に笑いを提供したことが評価されたんでしょう。でも、本来あるべきお笑い番組の姿は、こうしたネタ見せ番組だと思います。トーク番組はセットもいらず、芸人に任せておけば良いのですから、制作費も安く上がります。その結果、ネタ見せ番組は減っていきました。『有吉の壁』は遊園地ロケをやったり、セットも作ります。こういう番組が評価されたことで、今後のバラエティは、キャラクターやコントで笑いを作る番組が増えていくと思います」

週刊新潮WEB取材班

2020年7月10日掲載

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