トランプ「暴露本」に綴られる“イヴァンカ偏愛” 再選への障害となるか

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 ジョン・ボルトン前大統領補佐官が著したトランプ米大統領の暴露本『THE ROOM WHERE IT HAPPENED(それが起きた部屋)』。6月23日に発売されるや、大統領の頓珍漢な言動が世界中に知られることとなったのだが……。

「興味深いのは、本書では、トランプと家族の歪(いびつ)な関係にも言及されていること」

 と、国際ジャーナリストの山田敏弘氏。例えば、

「トランプの娘・イヴァンカに対する偏愛は有名ですが、昨年6月に米大統領として初めて北朝鮮領に立ち入った際には“記念撮影をして世界にアピールする絶好の機会だ”として、イヴァンカとクシュナーも連れて行ってしまったと」

 クシュナーはイヴァンカの夫で大統領上級顧問。

「トランプはあらゆる政策で娘婿を重用。政権内では“すべてはドナルドとイヴァンカ、ジャレッド(クシュナー)のショーに利用されるだけだ”と不満が噴出していたといいます」

 さらに、機微に触れる外交の重大局面にも娘の影が。

「2年前にトルコのサウジアラビア総領事館でジャーナリストのカショギ氏が殺害された際、トランプは事件への関与が疑われたサウジのムハンマド皇太子を擁護。当時、イヴァンカが大統領補佐官としての公務に私用メールを使って非難を浴びていたのですが、トランプは“ここで俺がムハンマドを支持すると自ら発表すれば、イヴァンカの問題なんて消し飛ぶだろう”と話していたというのです」

 政権の内幕を全て暴露したボルトンの意図やいかに。

 元共同通信ワシントン支局長の春名幹男氏は、

「彼はもともと自己顕示欲が非常に強く、歯に衣着せぬ物言いで有名だった。一方で、非常に頭が良く、リベラル系の政治家も彼には一目置いていました。自分を事実上クビにしたトランプが許せず、彼の再選を阻むため、緻密に計算をしたのが垣間見えます」

 内側から崩壊が……。

週刊新潮 2020年7月9日号掲載

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