未だ新型コロナ感染者ゼロの岩手県 達増知事の「県民性が影響した」発言を検証

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 アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルは、未だ新型コロナ感染者ゼロを維持している岩手県について「幸運としか言いようがない」と報じた。国内外で岩手県のコロナ対策に注目が集まる中、達増拓也知事は、医学ニュースサイトのインタビューで「実直で粘り強い県民性も影響している」と分析した。

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 詩人で彫刻家の高村光太郎は、『岩手の人』という詩を書いている。その一節には、「岩手の人沈深牛の如し」とある。牛のように寡黙で真面目、落ち着いていて思慮深いという意味だ。こうした県民性が新型コロナを防いだのだろうか。

 実際、岩手出身の歌手、新沼謙治は、日刊スポーツの電子版(5月25日)で県民性について、以下のように語っている。

《「岩手県民はみんな、言われたことを守る人間が多い。『外に出るな』『首都圏に行くな』と言われれば、しっかりとそれを守る県民性がある。さらに言えば、それぞれが地元意識が強く、こういった環境では地元から外には出ない。だから、もともと土地の広さのわりに人が少ない、人口密度も低さもあって、感染しにくい状況を作れたのではないかと思う」(原文ママ)》

 岩手県の面積は、北海道に次いで日本で2番目に広い。人口密度は全国で46位と北海道の次に少ない。東京都は1平方キロメートルあたり6354・79人に対し岩手県は80・29人(2020年4月)と、約80倍もの差があるのだ。

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