ローソンの「無印良品」販売、ファミリーマートの失敗から学ぶ戦略は…

ビジネス 企業・業界 2020年6月22日掲載

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 6月17日より、ローソンで無印良品(以下、無印)商品の取り扱いが始まった。まずは都内の3店舗で、食料品や衣料品、文房具などを販売するという。無印といえば、80年代から続いていたファミリーマート(以下、ファミマ)での取り扱いが、19年1月末に終了したばかりだ。ゆくゆくはローソンで扱う商品の“7分の1”が無印になるというのだが……。

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 新宿区の「ローソン新宿若松町店」は、無印の実験販売を行う店のひとつ。店の前には「無印良品」とある幟が並び、入店して真っ先に目に入るスペースに無印の商品が並ぶ。2つの棚には、レトルトの「バターチキンカレー」や「バナナバウム」といった食料品から、シンプルなデザインの靴下やハンカチといった衣料品、そして半透明のポリカーボネイトを使ったボールペンをはじめとした文具など、無印おなじみの品々が陳列されている。

 ほかに大田区の「久が原一丁目店」と江東区の「南砂二丁目店」でも実験販売は行われており、3カ月をかけて売れ行きを検証するという。今後はローソンと無印の共同開発商品も予定しているそうだ。

 無印といえば、シンプルながらお高いイメージがあるが……。たとえば、サラリーマンが出張先でお世話になることが多い靴下を見てみよう。実験店の「新宿若松町店」で販売されている無印の「リブ編み靴下 紳士」は税込み300円。一方、300メートル先のローソン「若松町店」で売られていたのは、グンゼ製で税込み407円の商品だった。婦人用でいえば、無印「ストッキング ヌードベージュ」が3足組で税込み799円であるのに対し、“普通の”ローソンで売られていたストッキングは、安いもので2枚組713円。いずれも、無印のほうが安価だった。

 食品を比べても、無印の「素のままミックスナッツ」は80gで350円であるのに対し、PB商品ローソンセレクトの「デラックスミックスナッツ」は75gで368円。無印がとりわけ高いということでもなさそうだ。

店舗の取り分

 ファミマの無印取り扱いは、両社が旧セゾングループに属していた関係から始まった。一方ローソンの親会社である三菱商事は、無印良品を展開する良品計画の大株主だ。ローソンでの販売実現には、こうした事情もあったのだろう。

「ローソンの無印良品取り扱いは、極秘で進めていたプロジェクトです。コンビニにおける日用品は、劇的に売り上げが変化するジャンルではないですから、提携発表で話題を呼ぶ狙いはあったのでしょう。最大のポイントは、無印商品の販売で、どの程度、ローソンの店舗が儲かるかです。何しろ、それでファミマは失敗しましたからね」

 と解説するのは、業界誌の記者だ。

「最初のうちはローソンで無印が売られている物珍しさで売り上げも伸びるでしょう。でも、かつてファミマで販売されていた頃を思い出してください。無印を求め、わざわざファミマに行ったでしょうか。特にコンビニの衣料品は緊急購買が中心で、ブランドは二の次。となると、ローソンからすれば、無印を扱うブランド性よりも、無印を売っていかに『儲かるか』という、当たり前ともいえる点がポイントになってきます」

 記者氏によれば、ファミマ時代は販売価格を占める無印の“取り分”があるため、ゆえに店舗利益の“うま味”は少なかった。無印の取り扱いをやめたファミマは、その後、ハンカチなどで独自のPB商品を展開。女性客は減少したものの、無印の商品に比べ、店舗の利益は15~20%改善され、結果的に脱・無印は成功だったとされている。

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