「麒麟がくる」は史上最も主役の存在感が薄い大河 それでもナゼ人気なのか?

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 コロナ禍により、とうとうNHK大河「麒麟がくる」も放送を中断、再開は8月下旬を見込んでいるという。休止前最後の第21話(6月7日)は、織田信長が今川義元に勝利する桶狭間の戦いを終え、ちょうど区切りの良いタイミングだ。これまでの出来映えを、業界通に語ってもらった。

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「麒麟がくる」は、最初から波乱含みだった。当初、1月5日スタートだった予定が、帰蝶役の沢尻エリカが麻薬取締法違反の容疑で逮捕されたために、川口春奈が代役を務めることになって撮り直し。2週遅れの19日スタートとなった。民放ドラマスタッフは言う。

「前代未聞のスタートは、却って話題となりました。初回視聴率は19・1%(ビデオリサーと調べ、関東地区:以下同)と、16年の『真田丸』(初回:19・9%)以来となる好発進でしたからね。先日の21話も16・3%で、これまでの平均視聴率は15・3%と高水準をキープしています。近年の大河では、18年の『西郷どん』(主演:鈴木亮平、平均視聴率12・7%)や17年の『おんな城主直虎』(主演:柴咲コウ、平均12・8%)を上回ります。制作統括の藤並英樹さんは、これまで大河2作に関わっていますが、そのうちの1本『直虎』を超え、14年の『軍師官兵衛』(主演:岡田准一、平均15・8%)に迫ろうという勢いです。なにより、平均で8・2%、最低視聴率3・7%だった昨年の『いだてん~東京オリムピック噺~』(主演:中村勘九郎、阿部サダヲ)とは雲泥の差。スタッフも胸をなで下ろしていることでしょう」

 これだけ好調なのに、放送中断というのはイタいはず……。

「そうですね。ただ、1月19日のスタート時点で、『麒麟がくる』は例年より少ない全44話と発表されていました。東京五輪の開催期間中は放送を休止する予定だったからです。しかし、コロナ禍で五輪は延期され、撮影も中断、ストックもなくなった。もし中断せずにこのまま放送を続けたら、最終回が放送される12月半ばまで、あと27週もある。場合によっては、全48話放送しなければならなかったわけです。『いだてん』も『西郷どん』も全47話ですから、どのみち中断しなければならなかったということだと思います」(同)

 もっとも、8月下旬まで約2カ月休止となると、年内に全44話を放送することは不可能になった。結局、NHKは全44話のまま、年をまたいで放送することを決定したようだ。

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