コロナショックの荒波、個人投資家たちの乗り切り方

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 株価はようやく2万1千円台に戻ってきたところだが、コロナショックの嵐は個人投資家も翻弄した。株式投資だけで生計を立てている専業投資家は、どうやって大波を乗り切ったのだろうか。

「現時点では数パーセントの損ですね」

 と言うのは、元通信系企業勤務の「夕凪」氏である。もちろん、資産は億単位。

「株価が大暴落すると戻るのに時間がかかるのは経験的に分かっていたので、2月27日頃から、持ち株をどんどん処分しました。3月初旬の時点でほぼ100%を現金に換えています」(同)

 夕凪氏が再び株を買い始めたのは4月半ばになってから。

「ビジネスホテルを運営する共立メンテナンスや回転寿司のスシローといった銘柄を買いました。しばらくすれば飲食やホテルにも人が戻ってくるだろうし、暴落時は優待を含めた利回りが良かったからです」(同)

 大暴落でも年初来で+60%近い利益を叩き出した猛者もいる。元芸人でユーチューバーの井村俊哉氏だ。100万円から投資を始めた井村氏の資産は昨年の時点で約2億7千万円。

「私は3銘柄に集中投資していたのですが、暴落のピークでは2億円を切る寸前まで資産が激減してしまいました。暴落の最中、2銘柄を手放し、コロナ後でも伸びそうなクラウド(ネットワーク経由で提供される課金サービス)関連株を新たに組み入れたのです」

 狙いは大当たり。4月に入ると持ち株は反転し、コロナ前を超える水準にまで急騰。現在資産は約4億5千万円にまで達している。

 大嵐でも果敢に攻める。それが生き残る投資家の条件というわけか。

週刊新潮 2020年6月4日号掲載

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