クラブ施設を会場に Jリーグの「コロナPCR検査」協力にウラ話

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〈鹿島本拠でPCR検査〉

 そんなニュースが駆け巡ったのは今月7日のこと。鹿島アントラーズが、運営管理している本拠地カシマスタジアムでPCR検査を実施すると発表したのだ。

 遡ること約2週間前、こんな記事が耳目を惹いた。

〈村井チェアマンが菅官房長官にクラブ施設のPCR検査会場利用を提案〉

 4月21日のJリーグ理事会で村井氏が明かしたところによると、20日に首相官邸で菅官房長官と面会し、そのような提案をしたところ、菅氏は“ありがたい”と喜んだという。

 ちなみに同月28日には、

〈200億円融資枠 Jリーグ合意〉

 との報道もあった。Jリーグが三菱UFJ銀行等から融資を取り付けたことを報じたもので、コロナのせいで経営が悪化しているJ各クラブには福音である。村井チェアマン、ナイスゴール! と拍手を送りたくなるところだが、実はトントン拍子に実現したかに見える美談にはウラがあった。

「当初、銀行はJへの融資に難色を示していました」

 とJリーグ関係者が囁く。

「そこで村井さんは菅官房長官に泣きついたんです。おかげでめでたく融資が実現したのですが、村井さんも手ぶらで官邸に行ったわけではありません」

 その“手土産”こそが“クラブ施設でPCR検査”というプランだったのだ。

 ただ、鹿島関係者曰く、

「我々の計画は、3月から市や医師会と進めていたもので、村井さんも菅さんも全く関係ありません」

 どうやら、それを仄聞した村井氏が官邸への手土産に拝借した、ということらしい。いわゆる“ごっつぁんゴール”だ。そして、

「各クラブに相談を一切せず官邸に持ち込んだものだから、クラブ連中は“こっちは感染対策に苦労しているのにふざけるな”とカンカンです」(先のJ関係者)

 村井さん、オフサイド!

週刊新潮 2020年5月21日号掲載

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