コロナ禍「尾身副座長」「鈴木厚労医務技官」、表と裏「御用学者」2人の履歴書

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アビガン推しだった

「鈴木さんは現在、新型コロナウイルス感染症対策本部の事務局長ですね。政府の政策のとりまとめを担当しています。医務技監は事務次官級のポストとして2017年に新設され、保険局長だった鈴木さんが初代として昇格しました。医師免許を持つ医系技官の最高位です」

 と、取材を担当する記者。

「当時の塩崎恭久厚労相が決めた人事ですね。なかなかドラスティックでした。鈴木さんは慶応大医学部出身で、1984年入省。WHOでの勤務経験もある国際派とされている。塩崎さんは国際医療に注力したいという思いがあって、鈴木さんを引き上げたんです。塩崎さんの後の加藤勝信さんにもうまく取り入って、その頃からなかなかの御用学者ぶり(笑)。2年務め、2019年に再任・続投しています」

 と、担当する記者。

「バランス感覚に秀でた人物という評価がある一方で、何か功績があるのか?と忌み嫌う人もいて、それが相半ばしている印象です。鈴木さんと言えばアビガンですね。石田純一やクドカン(宮藤官九郎)が効いたと公言したり、あの岡田晴恵白鴎大教授も医療従事者にはアビガンを持たせるべきだという主張をしていましたが、ご存じのように催奇形性がある。厚労省には薬害のトラウマがあり、アビガンにはネガティブな空気が強かったのですが、その中で、鈴木さんは“アビガンは良い薬”という考えの持ち主で、実際にこの薬を推していました。ただ、厚労省のトップとなった現在は、アビガンについては慎重な姿勢を取ったりしているようで、なかなかの“政治家”かもしれません」(先の関係者)

 厚労省、WHOでキャリアを積んできた2人の御用学者に、コロナ禍の日本の運命が託されていることは間違いない。

週刊新潮WEB取材班

2020年5月18日掲載

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