やっぱり紫外線! アベノマスクをUV除菌ケースで消毒してみたら…!

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

除菌の効果はいかに

 では、実際にマスクはどうなったか。ウチにはウイルスの消毒効果を実証できるような研究設備は当然ながら何もないので、あくまでも個人的・主観的な感想になることをご了承いただきたい。その上で言うと、マスクが「とてもすっきりした」ように感じられる。マスクに付着している匂いが消臭されている(気がする)のも要因の一つであろうが、おそらくは「10分で99.9%除菌」という、この製品の謳い文句が頭に刻み込まれていることの心理的効果があろう。

 でも、これで十分だ。だって、もともとこのマスク除菌ケース、コロナに耐える日々の「安心感」を得たいという趣旨で購入したのだから。

 という訳で、持ち歩きも容易だし、マスク以外にハンカチ等にも応用可能なこの除菌ケース、買って正解だった。

 一つだけ最後に注意点。紫外線が肌に当たると、炎症や皮膚がんが誘発されるリスクがあることが知られている。また、紫外線を見るだけでも、眼球の結膜炎症が起きる等のダメージを受ける可能性もある。薄目はもちろん、目をつぶっただけでも不十分で、瞼を紫外線が透過することもあるとか。

 このような紫外線の危険性をよく理解した上で、扱わないといけない。今回のマスク除菌ケースは、基本的にカバーを閉じた状態で使うことが想定されている。しかし、人為的にカバーを外しても動作するので、紫外線が直接肌に触れたり、目に飛び込んできたりすることがないように、使用時には紫外線防護メガネを装着しよう。そして、子供の手の届かないところで使おう。適切に使用すれば、布マスクの日々に安心感が得られるだろう。

 それにしても、ワクチンというものがまだ開発されていなかった古来より、人類は多くの疫病に襲われてきた。その人類の生活を守ってきたものの一つが(太陽光に含まれる)紫外線だったとしたら、紫外線をいかに有効に活用するかは人類の生活の知恵ということになろう。殺菌効果が高いUV-Cは、地球を取り巻くオゾン層で吸収されるので、地表には届かない。現在いろいろな場面で殺菌用に使われているUV-Cは、人類が水銀灯やLED灯を使って人工的に作り出し、活用してきたものだ。

 ダイヤモンド・プリンセスに搭乗した自衛隊員にウイルス感染者が一人も出なかったことは記憶に新しいが、その自衛隊の統合幕僚監部が4月13日に公表した「新型コロナウイルスから皆さんの安全をまもるために」というマニュアルには、コロナウイルスの消毒(殺菌)の方法の一つとして「紫外線法」が言及されている。紫外線は、危機管理のプロも推奨する方法なのだ。

 前回の記事「やっぱりUVに軍配!? マスク消毒のための「殺菌グッズ」厳選5」では、布マスクを除菌する方法として他に、電鍋で蒸す方法なども紹介したが、今回分かったのは、マスク除菌ケースのお手軽さは何にも代えがたく、そして、安心感があることだ(耳ヒモがたまに飛び出るけど)。この手軽さと安心感を味わうと、マスクの除菌はやっぱり紫外線に軍配が上がるという気がするが、いかがであろうか。

 次回は、コロナの引き篭もり生活がまだまだ続く中、その他のUV活用家電を紹介していきたい。

北島純
社会情報大学院大学特任教授
東京大学法学部卒業。専門は戦略的パートナーシップ、情報戦略、腐敗防止。著作に『解説 外国公務員贈賄罪』(中央経済社)、論文に「外国公務員贈賄罪の保護法益に関する考察―グローバルな商取引におけるインテグリティ」(「社会情報研究」第1号)などがある。ニックネームは「ジュンジュン」(デンマーク語だとユンユン)。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年5月5日掲載

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。