「3・11」時は5日後にビデオメッセージ 陛下の国民への語りかけはいつか?

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3月だけで10回

 平成の時代はどうだったか。もちろん、阪神大震災、東日本大震災を筆頭に、何度も国難といえる災害に直面した。 当時、天皇皇后だった上皇ご夫妻は、「3・11」直後の3月15日、原子力委員会の前委員長代理から説明を受けられたのを皮切りに、16日には東大大学院教授、17日には日本赤十字社の社長を御所に招かれてご進講を受けられている。

 活動状況の御聴取も含めると、3月だけでその数は10回に及ぶ。3月16日には、上皇さまは〈これからも皆が相携え、いたわりあって、この不幸な時期を乗り越えることを衷心より願っています〉と、ビデオメッセージで国民に語り掛けられ、大きな感動をもって受け止められたものだ。

 今回は緊急事態宣言が出てすでに20日以上が経過している一方で、国民への語り掛けなどは行われていない。「3・11」との比較を通じ、皇室ジャーナリストはこう指摘する。

「東日本大震災とは状況がまったく異なります。被災地といっても日本全国だから両陛下がお見舞いに足を運ばれるわけにもいかない。ビデオメッセージを収録しようとすれば陛下を感染の脅威にさらしてしまいますし、仮に撮影スタッフの人数を絞ったとしても『3密』への危惧は払しょくできない」

「陛下は今、政府が懸命に対応している状況を見守っていらっしゃるのでしょう。もちろん、なんらかの方法でお気持ちを発するタイミングを含め、慎重にお考えになっておられると思います。22日に安倍晋三首相による内奏が行われました。新型コロナウイルスに関連した話がメインだったと思います。陛下がお言葉を発せられるときには事前に政府もチェックすることになるわけです。もっとも陛下としては、ただでさえコロナ禍対応に忙殺されている政府の職員に、仕事を増やすようなことがあってはならないとお考えになっていらっしゃるのではないでしょうか」

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