「月曜から夜ふかし」がコロナで考えた秘策 マツコと村上が“静止画”で登場の面白さ

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ワイプもテロップもいらない

 ここから、いつものようにVTR映像を流すのだが、この時にも2人の顔をワイプで映し出すようなことはしない。映像にウケる笑い声や驚きの声、感想などは聞こえてくるが、2人の映像は一切出てこなかった。なによりVTR中の彼らの言葉はテロップにもならなかった(VTR自体には入っていた)。民放プロデューサーは言う。

「コロナを逆手にとった上手い手だと思って見ましたが、あらためてテレビの原点を思い出しました。昔はワイプもテロップもありませんでしたから。素材さえ良ければ、それらがなくてもちゃんと見られたし、むしろVTRに集中できて素直に笑えました」

 確かにそうだった。そして、毎日、コロナ感染者の数字とグラフばかりを見せられて、気分も荒む中、どーでもいい映像がリラックスさせてくれたのだ。SNSにもそうした声が上がっていた。

《みんなストレスが溜まってるのかテレビもあー言えばこー言うみたいな不毛な戦いばっかりだな 月曜から夜ふかしみたいなゲスな番組やってた方が元気貰える》

「この番組の企画・演出は『世界の果てまでイッテQ!』や『嵐にしやがれ』といった人気番組の企画・演出も手がける古立善之さんですからね、彼のやることは何かと話題になります。バラエティではロケも収録もできない状況です。報道や情報番組はかろうじて収録できる状況ですが、それでもタレントに無理強いはしないようにお達しが出ているそうです。『夜ふかし』がいつ収録されたのかは分かりませんが、苦渋の選択がかえって良い結果になったということでしょう」(同)

 こういう撮り方ならば、タレントも収録時間が短くて済む。なにより、コロナ感染の危険度は低いように思える……。

「マツコさんも基本的には、今、テレビに出ている状況ではないと考えているようです。ただし、生放送とTOKYO MXの『5時に夢中!』はOKだそうです。生放送は収録と違って、放送時間だけいれば済みますし、MXはスタッフの数も少ないですから。それに『5時に夢中!』には、自身を世に出してくれたという恩義も感じているのでしょう」(同)

 殺伐とした日々だからこそ、清涼剤を求める声は多い。

週刊新潮WEB取材班

2020年4月20日掲載

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