コロナ鎮圧に成功した台湾 「隔離キット」の充実ぶり

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 緊急事態に突入する日本。「2カ月待たされて布マスク2枚」に批判の声も大きいが、天才IT大臣オードリー・タン(唐鳳)らの指揮のもと、コロナ封じ込めに比較的成功している数少ない地域こそ台湾である。

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 台湾では、スマホを使ったマスクの配給システムを早期に整えたほか、学級閉鎖や休校の基準を明確化するなどの対策を次々と打ち出し、比較的社会の平穏が保たれている模様。人口約2300万人のかの地では、新型コロナウイルスの感染者373人、死亡5人に抑えられている(4月6日時点)。台湾ではどのような政策を取っているのか。

 ようやく緊急事態宣言が出され、日本でもコロナ対策がより本格化。感染が収束していけば、台湾の事例を参考しても良いだろう。

 台湾の高校、中学、小学校などでは、1クラスの中で生徒または教員1人が感染した場合は学級閉鎖、1校で2人以上感染した場合は休校、1つの地域で3分の1以上が休校になれば、地域内はすべて休校とするとの基準を策定している。もっとも、大半の学校では、生徒たちは平常通り通学している。

 海外からの渡航者や感染者に対しては、台湾でも自宅やホテルで14日間の隔離が義務付けられている。その際、地元自治体からは「隔離キット」が渡されるのだが、その内容が充実していると話題になっている。

https://playing.ltn.com.tw/article/19162/1?fbclid=IwAR20dE6KxYIcGtld3sGw1lOh_FTZ1WWUfp0pgwGCtpZ4YFbzMSFkPTfDyvk

 台北市の南西に位置するする新竹市では、マスク、温度計、消毒液のほか、ゴミ袋、インスタントラーメン、ビーフン、レトルトパックの椎茸豚肉煮込み、コーン缶詰、おかゆ、クラッカー、シュークリーム風のお菓子(2015年に製造終了した明治「ポポロン」と似たもの)などを配布。さらに、LINE現地法人と協力して音楽とドラマのネット配信を無料で14日間使用できる。

 屏東県ではマスク、石けん、体温計のほか、自宅隔離をする上での注意点を記したパンフレットも渡された。パンフレットには、次のようなことが書かれている。

・自宅内でもマスクを着用し、小まめに手洗いをする
・朝晩2回、体温を測る
・共同生活者は、常に1メートル以上距離を取る
・コロナと思われる症状が現れた場合は、衛生局に連絡する
・隔離に協力しない場合、罰金が課せられる

 自宅やホテルで隔離する場合、具体的にどうしたら良いのか。具体的な注意点やアドバイスをまとめた冊子を公的機関が用意しているのは、なんとも心強い。

 雲林県でも同様にマスクやタオルなどが配布されたほか、ニュース番組の有料放送を14日間無料で視聴できるサービスも加えた。新北市でも、ネットの映像配信を無料で提供する。

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