【コロナ禍】外出制限で休業補償を瞬く間に決めたフランス やはり感じる日本との差

国際 2020年4月7日掲載

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 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、フランスでは3月17日に外出制限が始まりました。一方、感染者は4月5日時点で約7万500人、死者は8000人を超えました。

 そのため、月末までの予定だった外出制限も4月15日まで延長されています。

 

 パリのオルリー空港が閉鎖されてコロナウイルス患者の輸送場所になり、TGV(高速鉄道)も医療車両となって患者の移送手段に使用されています。最近は若年層の感染者が増えていて、16歳の女性が亡くなったことにも国民は衝撃を受けています。

 エマニュエル・マクロン大統領が「私たちは戦争状態にある」と言ったのは大袈裟ではなく、まさに「戦争」という言葉を連想させるほどフランスもコロナウイルスの対応に追われています。

 日本では小池百合子・東京都知事が会見を行い不要不急の外出やイベント等の自粛を要請し、ロックダウンの可能性も示唆しています。それと同時に、すでに打撃を受けている飲食業界やイベント業界からは「自粛の話をするなら、それに伴う補償の話もセットでしてほしい」という声が多く聞かれます。

 フランスでは、コロナウイルスの騒ぎがなくてもストライキやデモ、暴動がよく起こります。政府は自分たちの権利を主張してきた労働者の歴史を考慮してか、外出制限によって発生する500万人にのぼる部分的失業者(※後述)に対して迅速な補償政策を打ち出しています。

先手を打った補償政策

 国民議会は3月19日、フランス政府による62.5億ユーロ(約7300億円)の企業支援、3000億ユーロ(約35兆円)のローン保証を決定しました。

 では、フランスのコロナウイルスに関連した対応の一部を時系列にしてみます。

2020年3月
3日 経済対策チーム発足
12日 マクロン大統領がTV演説。コロナウイルスの拡大を受け外出を控えるよう求める
14日 エドゥアール首相が会見。スーパーや薬局など不可欠な業種以外の店舗は閉鎖
16日 大統領が再びTV演説
17日 外出制限開始
22日 「衛生緊急事態法案」(国民の保護、社会的・経済的損失の回避等を目的とした法整備)が議会で採択
25日 「25のオードナンス(命令)」が閣議決定。労働者への補償など具体内容を説明
31日 1500ユーロ(約17万5000円)の定額支援、申請スタート

 12日に行われたTV演説で、大統領は「国民の不安をよく理解している、国は大規模な支援をしていく、数日、数週間のうちに対策を出す」と明言しました。ただ、この時点ではレストラン等の休業には触れず、企業や労働者への支援、失業対策に加え、3月の税金や社会保険料の支払い延期などについて言及していました。

 14日の首相会見で「レストラン、バー、ナイトクラブ、映画館等の店舗閉鎖」が発表されました。ただ、ニュースなどで事前にある程度国民にも認知されており、16日の大統領の演説前後から政府サイトやTV等で休業による補償内容が国民に伝えられ、順次具体化していきました。

 25日の首相会見では、23日に公布された衛生緊急事態法を適用した25件のオードナンスに言及。コロナウイルス危機により後述する部分的失業状態になった従業員は手取額の約84%が国から支払われることなど、より詳細な内容が説明されました。

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